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ぶち切れ聖女は激マズポーションを置き土産に逃亡する  作者: 嵐華子@【傾国悪女】3/5発売予定
プロローグ

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プロローグ・ぶち切れ聖女の強襲①~ケモック二世side

「あいつらよ、ケモック二世」


 我の名は、ザケルバード。決してケモック二世ではない。


 我は今、立派な角が生えた黒山羊へと獣化しておる。


 そんな我にそう告げたのは、赤紫色の髪をポニーテールにした12歳の少女。全体的にチマッとした、可愛らしい見た目だ。


 我と少女――フィデリカとは、訳あって共におる。


 フィデリカは城の大木から伸びた枝に腰掛け、とある窓を指差した。フィデリカの、角度によって宝石のような煌めきを放つ薄緑色の瞳は、心なしか……いや、完全に目が据わっておるな……。


「……本気か、フィデリカ……」


 我はフィデリカの下に生えた、同じく太めの枝に行儀良く座り、諦め半分、ドン引き半分な気分で問う。


 獣化しても、我は人の言葉や魔法を扱う事ができる。


「ふぐっ!?」


 ところが次の瞬間、我は驚い身を竦め、呻く。


 フィデリカが我の上に、馬に跨がるかのように、勢いよく乗ったからだ。


「黙って飛び乗るな! いや、それよりやるのか? 本当にやるのか? また今度にしないか?」


 我は、フィデリカが何をしようとしておるのか、既に聞かされておる。


 本当に、止めてもらいたい。しかしフィデリカの機嫌を損ねる事も、したくない。


 なのにこの小娘の、何と無情な事よ……。


 フィデリカは額から後ろに向かって生える我の角を、むんずと掴んだ。


「今度? 馬鹿なのかしら、ケモック二世。いつやるの? 今でしょう! 【激マズ青汁苦甘辛特製栄養ゲロドリンク】の餌食にしてやるわ!」


 フィデリカが激マズ~なドリンクを作っておる場を、我は見ておる。


 激マズそうな、体を痺れさせそうな、鼻をひん曲げそうな、生命の危機に陥れそうな液体を、寸胴鍋いっぱいに作っておった。


 つまり在庫はまだまだ、たくさんある。


 あの激臭を思い出し、げんなりして項垂れそうになった我の腹を、フィデリカが跨がった両足で蹴る。


「ぐっふ、我は馬ではな……」

「【激マズ青汁苦甘辛特製栄養ゲロドリンク】の餌食にされたくなくば、行きなさい!」

「ヒッ! あのドリンクは勘弁してくれ!」


 いずれ我も激マズ~なドリンクを飲まねばならぬ身。


 なれど味は改良できると聞いておる!


 ついつい、うっかりと怯えた悲鳴を上げてしまった我は、言うが早いか木々の枝を軽やかに跳ぶ。


「ガゥアアア!」


 山羊ではあるが獣らしい咆哮を上げ、閉まった窓を蹴り割り、人の気配がする方を見やる。


 大きな寝台の前に置かれた椅子。そこに座っていたのは、淡いピンク色の髪をした、間違いなく高貴だろう身分の令嬢だ。


 我はまず、寝台の向こう側に座っていた令嬢の首元を飾る、自己主張の激しい首飾りに目がいく。


 首飾りにはまる、豪奢なマゼンダピンクの宝石。その宝石に宿る【決して赦してはならぬ力】に気づいたのだ。


 次いで、豪奢な首飾りが似合わぬ童顔な令嬢の顔を見て、我は一瞬、戸惑う。


 この令嬢に会った事など、一度もない。


 なのに何故かこの令嬢、いや、この女への激しい嫌悪感と憎悪が、我の心の奥底から湧いてきた。


「グルルル……」

「ま、魔獣!? 誰か……」


 思わず憎悪に任せて唸れば、我の蹄が割れ伸び、鋭い爪へと変化した。そんな我に驚いたのであろう。


 女は後ろにあった、離れたドアに向かって駆けようとした。


 我は鋭い爪で女を裂いてやるつもりで、跳びかかろうと脚に力をこめた。いや、こめようとした。


 その時だ。


「こんの、むかつくピンク女ぁ!」

「ふぐっ!?」

「相っ変わらず、似合わない飾りを首からぶら下げてんじゃないわよ! アンタは後から相手してやるから、首を洗いながら、大人しく待ってろぉ!」


 言いながら、我の背を蹴ったフィデリカが、寝台を飛び越え、女の腹に蹴りを食らわせた。


 なお、途中の呻き声は、フィデリカに背中を蹴られた我が発したものだ。


 フィデリカよ、脚力が強すぎる。ついでに口も悪すぎる。一応、お前は伯爵令嬢……。


「んぎゅっ!?」


 我と同じくフィデリカの脚力を食らった女は、悶絶して白目を剥き――。


「何事でっがはぁっ!?」


 タイミングよくドアを開け、駆け込んできた何者かにぶつかった。


 くぐもった声を上げ、吹っ飛んできた女を受け止め――る事なく、二人して大理石の床に転がった。


「「「し、神官長!?」」」


 え、神官長だったのか!? と我はびっくりしたが、無言でポーカーフェイスを保つ。


 あ、爪が蹄に戻ったな。


 しかし神官長の後ろに控えていた、三人いるお付きの神官達は、突然の大事故に度肝を抜かれたのだろう。オロオロと神官長の周りを取り囲んだ。

お久しぶりです!

本日、投稿タイミングの研究がてら、4話連続投稿していってますヾ(≧∇≦)

しばらくは毎日投稿です(*´∀`*)

ジャンルは最後まで悩みましたが、ファンタジーにしました!

詳しくは活動報告でくわしく書いてるので、良ければご覧下さいm(_ _)m


◆お知らせ◆

3月5日にベリーズファンタジーより、新刊が発売されます!

【稀代の悪女】と作風が似て、シリアスが逃亡する書き下ろし作品です( ´艸`)

規約違反になるので、小説投稿サイトのベリーズカフェでのみ一章まで公開しています。

https://www.berrys-cafe.jp/book/n1773402


noteとはてなブログで販売サイトを勝手にまとめているので、試し読みしてお好みでしたら、ご購入下さい!

◎note◎

https://note.com/arashihanako1/n/n69e8ad362b89

◎はてなブログ◎

https://arahana-ashika.com/entry/2026/02/15/124149


◆ヒロイン小話◆

何故か稀代の悪女の編集様の時同様、ベリーズファンタジー編集様とも

「ヒロインは元々、純粋じゃないので、純粋からの悪女的な過程はありませんよ?中身年食った人間なんで、転生しても最初から悪女寄り、てか人生経験ある普通の人間ですよ?」的なやり取りをしたので、どちらのヒロインも根本性格が似てます(・∀・)

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