影の観察者
掲載日:2026/02/15
短編が書きたくなったので投稿します
他作品の影響はありません
暗い研究施設。静寂が、まるで世界の息を止めたかのように漂っていた。
中央のテーブルには、小瓶が整然と並ぶ。どれも淡く光り、そこにあるだけで不思議な圧力を放っていた。
私は立ち止まり、手を伸ばさず見つめる。
この薬は、人の本能や感情を揺さぶり、連鎖させる力を持っている。私はその強大さを、直感で理解した。
研究者たちは淡々と作業を続けている。
世界の運命を変えるかもしれない力を手にして。
でも、私は距離を置く。関われば自分も巻き込まれ、逃れられない影響を受けることを知っているからだ。
視線は、小瓶を通して広がる空間をさまよう。力は波紋のように広がり、人々に連鎖していく。
誰もが影響を受け、少しずつ変わっていく。
それでも、私は観察者のまま。決して手は触れない。
その瞬間、思った。
力や影響は、持つ者だけでなく、見守る者の心にも重くのしかかる。
距離を置くことで、初めて自分の選択と意思を守れる――そう、確かに思ったのだ。
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