屈辱の姫騎士
2人の乙女が地下牢に繋がれている。
「エルザ様
私はこれからどうなってしまうのでしょうか……」
「それはもう……酷い目に遭わせられるのだろうな……
私の想像を超えるような……とてつもなくエロい事をされるのだろう
だがカトレア、これも姫騎士の宿命だと思って受け入れるしかない」
「私はメイドなのですが……
もし生きたまま本国へ帰れたのなら、私は仕事を辞めます
無策で敵陣に突っ込むような上司の下で働きたくないので……
あなたはきっと今後も同じ愚行を繰り返す気がしてなりません」
「……しっ!
誰か来たぞ」
やってきたのは腹の出た中年男性が1人。
手にはランプ以外の物は持っていなかった。
どうやら食事の差し入れというわけではないようだ。
「あの、私は見逃していただけませんか?
私は戦う力を持たない民間人です
なんだったら、あなたたちの仲間になっても構いません
スパイでもなんでもしますので、どうか私だけは……」
「カトレア、貴様……!
お前に愛国心は無いのか!?」
「ありませんよ、そんなもの
私は私を愛しています」
「くっ……!」
続いて、毛むくじゃらの大男が牢に入ってきた。
彼はニタニタと下品な笑みを浮かべ、黄色く染まった歯を晒した。
彼もランプしか持っておらず、食事はまだ先のようだ。
「カトレア!!
お前が辞めたら、一体誰が私の世話をするんだ!?
私は1人で着替えもできない女なんだぞ!?」
「どういう切れ方なんですかそれは……
新しい人を雇えばいいでしょう
まあ、生きて帰れればの話ですけどね」
「いや、頼む……辞めないでくれ!
私は人見知りなんだ!
新しい人に慣れるのに時間がかかる!
給料を倍にするから思い直せ!」
「給料が倍、ですか……」
深く考え込むカトレアの前に男が立つ。
彼は全体的に細身だが、腹だけポッコリしていてアンバランスだ。
やはりランプだけを持っており、食事はお預けらしい。
「では3倍にしてください」
「3倍!?
いや、それはがめついぞ!?
倍と言ったら普通は2倍だろう!?」
「では4倍で」
「いや、お前の交渉の仕方はおかしい!!」
「5倍」
「……わかった!! もうわかった!!
5倍払う!! お前には今までの5倍の給料を出す!!
だからもう釣り上げないでくれ……!!」
むくつけき男たちがゾロゾロと牢に入ってくる。
彼らはどれもこれも不細工な造形をしており、清潔感が無い。
そして手にはランプを持ち、食事は持っていない。
ここに来て、2人の乙女は思い出した。
自分たちは囚われの身なのだと。
「くっ……!
貴様ら一体、私たちにこれから何をするつもりだ……!?」
エルザはむくつけき男たちに問うが、
彼らはニタニタと笑うだけで何も答えない。
「もし何かエロい事をするおつもりなら、
あちらのビキニアーマーを着ている方にお願いします
あんな格好だし、本人もそれを望んでいる節がありますので」
その願い虚しく、むくつけき男たちはメイドのカトレアを取り囲んだ。
「やっ、ちょっ、近い近い!!
そんなモノをそれ以上、私に近づけないでください!!」
「カトレアァ!!
一体、何を近づけられているんだぁ!?
実況しろぉ!! むくつけき男たちが邪魔で見えないんだぁ!!」
「ランプです!!
熱い……あっついんですけど!!」
「それだけかぁ!?」
「それだけです!!
ご期待に沿えず申し訳ございません!!」
むくつけき男たちはとりあえずランプを引っ込めた。
「おい貴様らぁ!!
何かエロい事をしたいのなら、まず私にやれぇ!!
カトレアはその後にしろぉ!!」
「全部あっちにお願いします!!
本人がそう望んでいますので!!」
だが、むくつけき男たちはカトレアを選んだのだ。
「ふざけるな貴様らぁ!!
1人くらいこっちを向けぇ!!
私は裸同然の恥ずかしい格好をしているんだぞぉ!!」
「あっ、あっ、はあぁっ……!!」
「カトレアァ!! 実況ぉ!!」
「や、耳……耳はやめっ……!!」
「なっ……耳だとぉ!?
まさか横の穴に挿入されているのかぁ!?」
「耳に息を吹きかけられています!!」
「それだけかぁ!?
他の穴に挿入される気配はぁ!?」
「ありません!!
残念ながら全員服を着たままです!!」
「服を着たままでいいからこっちに1人よこせぇ!!
お前ばかりずるいぞぉ!! 私にも何かしろぉ!!」
「私に言われても困ります!!
……あの、誰かあっちにも何かしてあげてください!!
本人が強く望んでいますので!!」
だが、むくつけき男たちは首を横に振った。
「首を横に振っています!!」
「くそおおおおお!!!」
その後、2人の乙女は食事を与えられてから解放された。
「はあ……
一時はどうなるかと心配しましたが、
なんとか清い身のままで帰れますね
……給料5倍の件、忘れないでくださいよ」
「くっそおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」




