6歳
今回は長めです。
....眩しい....ん.....動けない....?......なんで...?
「..........ん...?」
「あ、起きた?」
「ほんとだ。ふふふ、起きたかい?寝坊助さん」
「.....イケメンが2人いる....」
「ふふふ、兄様、僕たちイケメンだって」
「ありがたいねぇ〜ふふふ。でもミシュ?君はもっと美しいってことを自覚してね?」
「...?.....」
「そうだよ、ミシュ。兄様の言う通りだ。僕たち心配だな〜?」
「それと、ミシュ?早く起きないと口付けするよ?」
「.......んぅ....」
「ふふ、困った妹だ。朝だよ、おはよう、寝坊助ミシュちゃん?ちゅっ」
「あ!兄様ずるい!僕も!!おはよう、ミシュ。ちゅっ」
眠すぎて頭まわらないな〜なんて思ってたらいつもの如く兄2人から唇にキスをされてしまった...///。
普通、兄妹って頬にキスするもんだよね?って最初は思ってたんだけど、どうやらこの2人は違うらしいということがわかってきたので、今では私も受け入れている。
それに...ふふふふふふ...超絶イケメンの超絶美形から貰えるキスは妹でも嬉しいのだ!!
なぁんて。そんなことを考えてたら思考もはっきりしてきたし、兄たちに催促をされているので、起きるとするかな〜。
「ふふ、おはよう。兄様たち」
「やっと起きたね、可愛い私たちのミシュ。ふふふ、寝顔もかわいかったよ。おはよう。ちゅっ」
「おはよう!寝てる時もかわいかったけど、お話をするミシュもかわいい!!ちゅっ」
「ん..ちゅっ...ちゅっ...。おはよう。兄様たちもかっこよくて素敵だよ」
「ふふふ、ありがとう。じゃあ、私たちは自分の部屋に戻って着替えようか?」
「はい!じゃあ、また後でね!ミシュ!」
「は〜い、また後で〜」
兄2人が出ていき、1人になった私は一先ず着替えることにした。
クローゼットに入っている大量の服の中から1着だけ選んだ私は今、大きい鏡の前にいる。
うっわ〜..いつ見てもすっごい可愛いわ〜..さすがハイエルフ...。幼女でもかわいいとかやばい..。
というように、自画自賛をするのが毎朝の日課だ。
でもね?ほんとに可愛いんだよ!
少しウェーブがかかっている青系統の真っ白な銀髪に若竹色と女郎花色のグラデーションをしている瞳。
肌は雪のように真っ白でブルベ。頬にはうっすらとしたピンクが掛かっていて、それが『健康だ』ということを表している。そして、口元には小さい赤い唇が1つ。背は日本の小学3年生くらい!
我ながらめっっちゃくちゃかわいいな...。
そうこう言ってるうちに着替え完了!
さぁ、ランニングをしに行くぞ!
✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎✿︎
私は今城の中にある騎士訓練場のグラウンドでランニングをしている。
3歳の時、『ステータスをえげつなくさせる』と宣言した翌日、父と祖父に『ランニングをしたいけど、どこでしたらいい?』と聞いたら『どうしてもしたいんだったら騎士訓練場を使って』と泣きながら言われたので、騎士たちの邪魔にならないように使わせてもらっている。
あ、そうそう。私 2日前に6歳になったんだ〜!報告しとくね ♪
話を戻そう。
今、騎士たちは素振りをしている者と私と一緒にランニングをしている者で分かれている。
ちなみにランニングをしている騎士たちは私の専属護衛騎士2人と騎士候補訓練生たちだ。
グラウンド何周目かで護衛の1人であるガイドに声をかけられた。
「姫さん、体力ありすぎない?今何周目?」
「今?ん〜...今は9周目くらいじゃない?」
「えぇ〜..姫さん疲れないの?」
「ううん。まだ疲れてないよ。あと1周はしようかな?って思ってる」
「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」
「...姫さん...あんたは猛者だよ」
「「「「「「「「「「・・・・(コクコク)・・・・」」」」」」」」」」
「えぇ〜そうかな〜/// あははは」
「いや、褒めてないよ?」
「え?褒め言葉じゃないの?」
「あ、いや...。ある意味褒め言葉だけど...その...なんていうか....うん....」
「じゃあ、褒め言葉じゃん!ありがと〜ガイド!」
「..いや...うん...(笑)..」
ガイドはエルフなだけあって兄たちほどではないが、美人だ。
赤髪の短髪で眼は髪と同じ赤色。体はがっしりしており長身。肌は白いが、健康的な肌色だ。
9周も走っているのにさすがは騎士。息切れを全くしていない。
後ろにいる騎士候補訓練生たちはほとんどが息切れしてヨレヨレになっているのに....。
まぁ、騎士と騎士候補訓練生を比べるのは騎士に失礼か。
そしてもう1人の人族の護衛。サクは紺色の髪を肩までストンと落としており、ハーフアップにしている。眼は綺麗な灰色で、着痩せするタイプなのか一見細く見えるが、本当はガイドと同様がっしりしている。肌は白く、健康的な肌色だ。
ちなみにサクは東にある人族の大国、泉王国の出身らしい。
名前を聞いた時、国名も日本っぽかったので、漢字で 弥代 朔 と書いて見せたら『正解です』ととても驚いていた。
それ以降、サクには泉王国がどんなところでどんな生活をしているのか聞いては再現をしたり想像をしたりするというのを繰り返している。
いつか泉王国に行ってみたいな〜!と思っていたらいつの間にかグラウンドを15周していたらしい。
目標は達成だから...まぁ、いっか〜
タオルで汗を拭っている時、専属侍従であるリツに声をかけられた。
「姫様、この後はどう致しますか?」
「あ、リツ!ん〜どうしようか?」
「15分後に朝食のご用意が完了すると料理長から伺っておりますが...」
「あ、じゃあ、一回部屋に戻って用意してから食堂に向かうことにするよ」
「かしこまりました。それでは私もお供致します」
「ガイドとサクはどうする?」
「そりゃあ、もちろん。姫さんと共に行くよ」
「私たちは姫様の専属護衛なので、お供させていただきますよ」
「そっか!じゃあ、護衛よろしくね!」
「おうよ!」「はい!」
何故かサクに『専属護衛』を強調されながら言われた...サクさん...笑顔だけど目が笑ってないですよ....?
リツもサクと同じく泉王国の出身で、リツ・オウジュというらしい。
ちなみに漢字...泉王国の字ではこう書く。桜樹 李月
これを知った時、お母さんが好きそうな苗字だな〜と考えていた。
前世の母は桜が好きで春になるとよく連れまわされていたのを思い出した。
そんなこんな考えていたらいつの間にか自分の部屋についていたので、サクとガイドには部屋の前で待っててもらい、リツには『準備をしているから少し待っててね』という節を料理長たちに伝えに行ってもらっている。
さて、今日は...服の革命のため決意した日からちまちま作っていた服が1着完成したので、それを着ることにしよう。
紺のストレートタイプのパンツに白のキャンディスリーブタイプのトップスを合わせて、髪を頭の天辺から1本の三つ編みにして後ろに流した。
アクセサリーは王族の紋章をリメイクした、ミシュタリカ・エヴァ・リナ・ムーンライトを表している紋章が描かれたイヤーカフを左耳に付けている。
エルフ族の掟で生まれた直後に家族に貰うイヤーカフは一生その身に付け続けなければならないというものがあり、それにはエルフの王族であるハイエルフ族も含まれているため私も付けなければならないのだ。
兄たちから聞いたんだけど、イヤーカフには守護の魔法ともう1つ魔法が掛けられているらしい。
そのもう1つの魔法は洗礼を受ける日に神々から貰うのだそう。そしてその洗礼は6歳になったら受けられるのだとか.....。つまり、私はもう少しで洗礼を受けることになるらしい!!!やったね!!
っと、話が逸れちゃった。
それで、イヤーカフだけでは寂しいので、右耳には母様から貰った花柄のピアスを付けることにした。
最後に私のお気に入りのマリアティアラ!
頭から被って一番大きい宝石を額にくるようにセットして付ければ、準備は完了だ。
ちなみに宝石の色は私の眼の色と同様のピンクと金色のグラデーションだ。
装着完了!
さぁ!いざ食堂へ!!
6話を読んでいただきありがとうございます!
3歳から6歳へ 一気に飛んじゃいました!!
次回も結構長めになる予定なので、よろしくお願いします。