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高ランク冒険者の気まぐれ人生  作者: shy
気楽な人生
9/34

9洞窟5

 何事もなく扉の前に着いた。そして自分的にはこれが最後の戦いだと思っている。少し目をつぶりこれまでやってきたことを思い出す。最初の五ヶ月くらいはずっとマッピングをしていた。敵に追い回されて迷った時も度々あったがスキルでどうにかなっていた。色々な事がありつつマッピングが終わったところで前から見つけていたボスがいる扉を開ける。最初見た時は絶対倒せないと思ったが同時に倒したいという気持ちもあったし、何回もアタックすればどんなに強い敵も倒せると思ったからだ。前に見た本で洞窟のボスは回復をしないという本があったからだ。誰が書いたのかもわからない、ボスの部屋に入ったら出られないのにどうやって書いたんだよ、とか本の最初の部分に落書きされていたが俺は変な事は信じたくなる性分なので信じたくなった。そしてさっき徳を積んだし、逆に今1番身体がほぐれているしな。


 「そして俺はここにいる。龍にとって俺は弱いかもしれなかったがダンジョンだと弱くても勝てることを今証明する。」そして扉を開けた。


 開けた先にはいつもどうりボロボロになった龍がいる。いつものように面倒臭そうに起き上がりながら。だが今日だけは顔つきが変わっているような気がした。


 「がぁぁぁぁぁ」


 いつもとは違う最初の行動をとっている。だが俺の行動は変えれないし、変わらない。まずは全力で接近する。いつもはブレスを放ってくるが今日は来ない。これもさっきの本で読んだことがあるのだが瀕死になると行動がおかしくなることがあるらしい、それでも止まることはできない。するとドラゴンの中心にある魔力の塊が爆発して龍の全体に染み渡った。その瞬間、何故か爆発的な魔力が出て衝撃が発生したのとあまりの魔力の強さに吹き飛ばされそうになったがなんとか耐えて目を開けると、そこには傷が一切ない龍がいた。


 「はは、」思わず乾いた笑いが出てしまったが魔力は一箇所に集まっていたのが全体に広がっただけで不自然だと思っただけであまり不安はなかった。そして考えられるのは、


 「最終決戦は、魔法無しの殴り合いか。」


 この世界の生物、人間は魔力を心臓で生成するのではなく溜め込む機能がありそこの魔力が消えて心臓が止まると死亡する。(勿論例外もあるが。)だがあいつは多分今心臓だけで動いている。なので相手もカウントダウンが発生しており短期で勝負を決めにきている様に見える。


 「て、ことは時間いっぱい逃げ切るか、普通の討伐かの二択になってくるか。でもやっちまうほうがははやえよな。」


 俺が考えていると久しぶりに見たダメージをおっていない羽で飛び始めて突撃してきた。前は、ブレスを吐きながらと、突進の二択だったが今回は突進しか選択肢がないのでそれを避けて翼に剣で切り裂く。


 「まず、一回。」


 斬ったのにも関わらずそれを意に介していないようにまた空へ飛びまた突進してくる。それを避けながら


 「二回、三回。」と次は剣を投げて翼にダメージを与えていく。


 動きは最初に戦ったときのような感じで来たが前よりも慣れているので簡単に捌く。そしてバックから余裕があるので剣を取り出し投げる。今回はいつも使っている短剣シリーズの剣バージョンを使って投げているが、前はずっと空にいてブレスを撃ってきていたので投げナイフを使っていた。そして今回は一つのアイテムを投げる。


 「さっさと降りてこい。このデカブツやろう。」


 そのアイテムが空で爆発するといきなり力が無くなったように落ちてきた。生物は傷がつくと血と一緒に魔力も飛び出る性質があるそしてそれを補うために魔力を欲する。それを利用してその魔力を吸収しようとしたところに毒性のある粉を撒き侵食をして麻痺をさせる効果があるものを使った。これは傷が無い生物に無害なんだがやっぱり値段が高いので初めて使った。どれもこれも高いものばかりだが使って損は無いと思いたい。これを食らったことにより落ちて来た。


 羽は傷ついているがまだ胴体は攻撃していないのでここからが正念場だろう。まずは体勢を整えているとこに足を狙って短剣を斬り込んでいく。効果としては硬いものほど切れる短剣なんだが4箇所目を斬った所で短剣が折れてしまった。おそらくいつもよりも甘く研いでしまったからなのだろうと思ったが切り替えて距離をとる。するとドラゴンが身体中の魔力を口に集め出した、もう集める魔力も無いのに。だから魔力を集めるごとに手足が耐えれなくなって折れていき身体もボロボロになっていっていく、だが魔力を集めるのをやめないようだ。これが最後の空の王のプライドなのなのだろう。


 「じゃあ俺も全力でお前に敬意を示して本気で守る。」宮廷魔導師の魔力が込められた防御魔法を展開して魔力を吸収出来る短剣を足の所から取り出し両手で前に出す。どのくらいの魔力かは分かるので不安は無いが緊張はしてきた。


 「く、くる。」ドラゴンが全魔力を出してブレスを吐いてきた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ブレスは1分くらいずっと続いたが俺が死ぬことはなかったが、周りは地面が抉れて地形が変わっていたので相当な威力だった事がわかる。そんなドラゴンに近づいていき、


 「今楽にしてやるよ。」と言って魔力を吸収した剣を頭に突き刺すと短剣と一緒に消えていった。その姿はとても穏やかそうな感じがした。


 「終わったのか。」最後は達成感というよりも少しだけ虚しさが残った。ここまで毎日同じ敵にアタックして死にかけて上手くなって強くなり倒した、だから少しだけ、ほんの少しだけこの気持ちになったのだろう。


 そしてこのドラゴンを倒したことによってダンジョンの奥にあった扉が開いた。このシステムはダンジョンのボスを倒すと開くようになっている様だが何故なのかは分かっていないらしい。


 そしてその扉に歩いていく。自分にとっては長いようでとても短い冒険だった。毎日ドラゴンと戦って薬屋でアイテムをうって、武器を直し、宿に戻り飯を食う。そんな生活が今終わりを告げたのだ。


 少し歩くと扉の前に着いた、3回目のダンジョン攻略がここだったので感動とビックリが混ざっていた。中に入ってみると思ったよりも部屋の中は小さく石で出来たテーブルの上にアイテムが置いてあった。ダンジョンのボスを倒すとお金や装備、冒険で使えるアイテムが出てくると聞いたことがあったがここにはアイテムしかないようだった。


 まず血っぽいなにかが入った瓶が四本、うろこ?が七枚、歯が二本、最後によくわからない、くの字になったものが2個あった。瓶は小さく、鱗も手のひらサイズくらい歯はだいたい一メートルくらいでよくわからないものは三メートルくらいあるのかな。取り敢えずそれをアイテム袋に入れてここから出ることにする。


 俺は扉から出てドラゴンがいた所に「ありがとう、ゆっくり寝ろよ。」と言って自分の魔法を使った。

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