7 洞窟3
モンスターを倒して休憩に入ると俺は取り敢えずバックから木を取り出し焚き火をたく。
「ダンジョン内で焚き火ですか?」ユイトが聞いてきた。ダンジョン内で焚き火は普通しないのだが、「この焚き火は少々特殊な効果を持っていて魔力回復とリラックス効果があるから少ない時間で普通以上に回復できる。それに体調が悪くなったりもしないしな。」俺は火を点けると徐々に周りが温かくなっていきユイトとユカは眠気に抗おうとしていたが寝てしまった、相当疲れていたのだろう。それに合わせて俺はバックから鍋を乗せる台と鍋を取り出し水と固まったコンソメの味に似たものを入れて待つことにした、すると「いい匂い、」と言ってライトが起きたようだ。俺の背中で寝ていたので多少回復したのだろう。
「ほら、飲め。」俺がスープを渡すと素直に飲み始めた、すぐ飲むのが少し気になったので「他の人のもんは警戒したほうがいいぞ、」冒険者の先輩としていったら「普段は多少警戒してるけど、ここで警戒して置いていかれても困りますし、まぁ今のは冗談で貴方を信用してるだけですよ。」と笑顔で言ってきたので話をずらした。
「そういえば何でこんなに危険なとこに来たんだ?俺が一人で入っているからといって未踏破ダンジョンは最低でもBランクはあるのに、そんな気持ちじゃ命がいくつあっても足りないぞ。」
「そうなんですけど私達Bランクのパーティーでうまくいってて難易度を上げようと思っていた矢先たまたまここに洞窟がある事を知って、そこから貴方が出てくるのが見えてこれはイケるってなって、それにクラヨイさん、あんまり強く見えなかったし、、今は強いの分かってますけど、」
最後小さい声で言ったな。確かにダンジョンから一人で出てきたらイケるって思うよな〜。ただ、俺はダンジョンが得意なスキルしか揃ってないからな。
「確かに俺は強くは無いが俺の知り合いには魔法使いのスイさんがいるんだぞ。」ここで人の名前を使い俺の凄さを示していく、無茶をしないようにしてもらう為でもあるが、ロイのパーティーは俺が抜けたあとSランクになったと聞いたので流石に分かるだろう。
「スイさんってあの魔法使いランキング2位のあのスイさんですか?」
それはどうか分からないが最強だったので「多分そのスイだ。」
「え〜本当に凄い!それならクラヨイさんの強さも納得ですよ。スイさんは魔力が人外いやモンスターよりも多いのにも関わらず魔法制御は誰よりも高く魔法の威力は出そうと思えば一番高い、それに予約魔法も上手く使い同時に見える様な2つの魔法を使いそのどちらも高性能、それに少し前に衣装を変えて肌面積が少なくなって魔法使いには珍しい薄着にマントを着ておりそれもまた似合っていてカッコいいんだよな〜。これも意味があるみたいですが省略。」オタクの早口言葉が俺を襲ってきたが面白かったのでもっと聞いてみた。
「ほえ〜そんなに凄かったのか、俺全然魔法に詳しくないからもっと分かりやすく説明してくれないか?」
そう聞くと嬉しそうにして「良いですよ、スイ様の凄さを説明してあげましょう。まずはこれ、」杖を取り出して水の塊を空中に作る「これがスイ様の魔力だとしますスイ様の場合この水を少しずつ出したりこれを全部出す事が出きとても安定しています、ですが普通はこういったことは出来ずにもうちょっと少なくした量が多くなったり安定がしていないし多い方は最大まで出せないし危険があるので余程の事が無い限り使いません。そしてこれは本で見た事なのですがスイ様が冒険者になりたての頃初心者の杖を使って練習していたみたいです、本当に凄い。」
ん?なんか言い方おかしくないか?初心者の杖って良いんじゃないのか?俺は初心者の杖ばっかり渡してたけど、「初心者の杖っていいんじゃないのか?」素直に聞いてみた。
「うーん、それが良くないんですよね。初心者の杖はある程度の魔力がある人が使うのはとても難しく魔力が出なくなる事もあるくらいには危険な事なんです、それに歴代の実験では成功した人もいないくらいに難しい。これもこの水で例えます、」細長い筒と太く長い筒を取り出した、「こっちの細い方が初心者の杖こっちの太い方を普通の杖に例えます。初心者の杖はこの水を少しずつしか入れられないのにここから溢れると壊れます、最悪の場合魔法が逆流して魔法が使えなくなります,ただ事故が少なく道が細いので魔力が強く出るので魔力が少ない初心者にとってはいいんですよ。」ライトは水を流し始めた、最初は少しずつ流したので何もなく流れたが多く入れた瞬間当たり前だが溢れた。「これで壊れた状態になりましたね。」どうやら本当に少しだけ溢れたとしても駄目らしい。
「次にこっちの太い方の筒で説明します。こっちはさっきよりも太いので多く魔力を出せる代わりに事故が多くなます。」
それを聴いて俺は疑問に思った。「ん?なんで事故が増えるんだ?さっきよりも入れられる量が増えるんだろ?」
「それはですねちょっと溢れただけでは壊れなくなりますが一定の魔力量を超えると壊れるのではなく少しずつ限界値が溜まっていき魔力が限界に達してそれがずっと続くと爆発するからですね。これが杖を育てるという事なので難しいのですよね、しかもこの限界値が最大まで行った時に杖は本当の実力を発揮するのですよ。それに育てば魔法の威力は上がるし魔力の制御は普通の杖の方が安定しますしね。」
「なるほどな、つまり初心者の杖は短期間で使うように出来ており普通の杖は長期間ようって訳か。なんとなく理解できた気がする。」 ライトはそれを聞いて頷いていた。