表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高ランク冒険者の気まぐれ人生  作者: shy
気楽な人生
5/34

5洞窟1

「さて、今日で終わらせますか。」


 あれから何回か洞窟に入り魔力を見ている感じもう少しで終わらせられる気がした。


 いつもどうり準備をし飯を食って洞窟に行く。洞窟の前に魔力を設置していざ潜入。いつもどうり全力で走っていると三階に着いたときに音というか良く聴くと声?の様なものが聞こえた。


 「やっぱり来ちゃっていたか〜。」あの時警告したパーティーだろう。別に無視しても良かったのだが気になったので助けに行こう。洞窟の中なので反射してどこかにいるのか分かりづらかったが魔力を探ると微かに違う魔力を感じたので向かってみる。魔力を探知した場所に近づいて行くとアイテムやら血が落ちていたので近くなっているのが分かった。ダンジョンは一日経つと道に落ちている生物以外の物を取り込む様な習性があるからだ。そしてそちらの方に近づいていくと人影が見えた。


 見てみると足も腕もフラフラで次の攻撃で死ぬと思ったのでスピードを上げて敵に近づきこっちに注意を引かせる。「おい、大丈夫か?」俺を見て安心したのか膝から崩れ落ちるように倒れ込んだ。


 「み、みんなを、た、助けて。」そう涙ながらに話しかけてきた。薄々は気付いていたが他のメンバーはもっと深い階層にいるのだろう。


 「任せろ。」といいまずは目の前の敵を倒す。こいつは物理が効かない、というか恐らくSランクの物理攻撃しか通らないくらい表面が柔らかい、にも関わらず攻撃力が高くスピードも速いので逃げるのも難しいし使えそうなものも落ちない糞モンスターだが魔法が弱点なので魔法で倒すのが正解だ。


 俺は足の鞘から三番目の剣を取り出しバックから魔力が入っている瓶を取り出し剣で斬った。するとその剣が魔力を吸収し淡く光った。


 相手は俺が魔法が使えそうではなかったので気持ち悪い顔をして俺が動くのを待っていたがこれを観た瞬間瞬時に襲いかかってきた。力任せで振ってきた拳だったのでその攻撃を交わし一番魔力を感じる場所、魔臓にその剣を突き刺すとみるみる入っていき剣に付いたボタンを押すと中に直接魔力が入りモンスターは痙攣して倒れ込んだ。


 女の子は驚いていたが気にせず、「何階だ?」短く聞くと「5」とだけ答えた。「立てるか?」斥候ぽい女の子に聞くと頷いたが足に力が入らないようで立てないようだった。おぶって行くのもいいが疲れるからあまりしたくないな〜とか思いつつ、膝を曲げておんぶするポーズをする。するとすぐに乗ってきたのでこの心はやっぱり冒険者だなと思った。


 「このまま、5階層に向かう。」短くそう言ってバックから布を取り出し女の子に頭の上からかける。これが気になったようだが斥候なら知っている魔力が探知されにくくなるものなので何も言ってこなかった。


 途中休憩を入れたりしながら2時間くらい走って4階を抜けて5階に到着したところで少女は口を開いた。「ここから左に行って、右にいって······」どうやら道を覚えている様でそれに従って歩いていく。こういった部分が羨ましいなとか思いつつ、「そろそろ着きます。」目的の場所に着いたがモンスターがいてその場所には誰もいなかった。


 「うそ、、誰もいない。」背中に乗っている少女は絶望している感じだったがモンスターの近くには転がった魔道具と飛び散った血の後しかなかったのでうまく逃げれたのかもしれない。


 「ここで下ろすぞ。」一旦おぶっていた子を下ろして臨戦態勢に入る。


 敵のモンスターの手は赤く染まっており正面から見ると一般の人だったら恐怖で固まってしまうだろう。「全身岩人間みたいで慣れないな。」このダンジョンは一階から9階までは人形のモンスターなので倒すとき少し気分が悪くなる。


 すると相手がこちらを見つけたのか走ってきた。自分の硬さに自身がある何も考えていない走り方だ。俺は二本目の剣を取り出す。「はぁ〜、めんど。」こんな時でもこんな言葉が出る俺は本当に主人公にはなれないのだろう。


 近づいてきた瞬間に構えて魔力が一番強い所に剣を突き刺す。勿論何処よりも固く守られていたので容易く刺さった。硬ければ硬いほど刺さるので簡単に深くまで刺さりコアを破壊する感覚を感じた、その瞬間に横に逸れて思いっきり蹴っ飛ばした。硬くて足がジンジンしたがうまく横の壁に蹴れたようで壁と一緒に崩れ落ちた。


 少ししたらアイテムと俺の剣が落ちたので拾うと女の子が近づいてきた。


 「お兄さん、、何のランクなんですか?見た感じ高ランクとは思っていましたが私を背中に乗せながらずっと走っていましたし、、私が襲われていたモンスターも一撃、、そして今回も一撃、どう考えても可笑しいですよ、」少し笑いながら言っている、なんか尊敬よりも恐怖が勝っている様な気がする。


 俺は正直に答える。「Bランクだよ、」というと「そうですか、、じゃあ依頼です。私達を、、助けて下さい、、依頼主はユカ、報酬は後で話します。」紙を取り出しサインを要求してきた。これは緊急のとき冒険者同士が助けを乞うときに行われる行為で要求は求められた側が達成できた場合何でも報酬を指定できる悪魔の契約書だ。俺は気ままに生きているので直ぐにサインを書いて渡すと相手の手の甲にタトゥーの様なものが刻まれた。アイテムと剣を入れて、「いくぞ。」と言っておぶって血がたれている方に歩いていく。


 「パーティーで離れてからどんくらいの時間がたった?」軽い質問をユカにする。


 「多分朝から夜になる時間くらいかな。」ダンジョンは夜の方が大人しいので夕方頃に潜ったのだろう。


 段々と血の量が少なくなってきた所に魔力が強くなっている所を見つけた。


 魔力範囲の外では一人見張りだろうか立っている男を見つけた。近づいて行くとこっちを警戒していた。するとユカが降りた。


 「ユイト、助けが来たよ。」俺はユカを降ろしてゆっくりだが嬉しそうにして近づいて行った。


 少し経ったら二人でこちらにきた。「救援有難うございます。こちらに来てくれ。」男が言った。あまり敬語が慣れていないようだったが誠意は伝わった。その言葉に拒否することなくついて行く。 


 そこには今にも死にそうな最初に話しかけたきた男がいた。「俺達を守りながら戦い、一体は倒して逃げたのですが出血が酷くどうにもならない状態で、、助かりますか?」見るからに俺が僧侶じゃないのを分かっており高ランクと分かっているうえで聞いていることから覚悟は決まっているのだろう。まあ、この世界は回復魔法はあるがそれは怪我した人の魔力を活性化して治すので瀕死だったら効かないし回復薬も似たようなもんだ。だが、


 「助かるかどうかは分からないが助かる可能性が高くなるものは持っているぞ。」懐から一本のポーションを取り出す。この効果は一時的に仮死状態にして血の動きを止めて身体を回るものを魔力にして呼吸だけ出来るようにするものだ。そのうちに安全な体力まで回復する。


 「いくらですか?」冷静に聞いてくる。これを買う時は定価では五百ゴールドはして、流通が少なくオークションなどで買うと三倍はして近くの冒険者に頼る時はその三倍かかると言われている。


 俺に聞いてきた奴の目は真剣だった。「お前にその覚悟があるのか?」冒険者にとって常識的な知識があるなら誰でも知っているだろうに、男はそれでも頷いた。


 「四千ゴールドだ。」それと言うと同時に俺は紙を取り出す。契約の紙だ。と言っても生涯をかけて金を払う為のだが。こいつら凄いな、これ自殺しようとしても出来ないし、死にかけても死ねなくなる呪が付与されるのに。


 するとすぐに理解したのかその紙に手を置き、紙が光る。男の手に絡みつき手首に三つの輪っかが刻まれた。これで契約終了だ。ユカは何が起こったのかよく分かっていない様だったが俺には関係のない話だ。それにこっちのほうが危ない物だ。


 「ポーションだ。」男に渡すと受け取り、「ユイトだ。これからお願いします。」と言って重症者の方へ行った。なんだか借金取りをしている気分だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ