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高ランク冒険者の気まぐれ人生  作者: shy
気楽な人生
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31暗い道

 「はぁ〜!ファイヤーボール。」魔法を使ってから5日経ち遂に明日冒険者学校の入学式だ。それの影響かここら辺が日が経つにつれて騒がしくなっている気がする、といっても俺にはあまり関係のない事だがな。学校に入るといっても歓迎されるわけでもないだろうし。そして俺はいつも通り魔法を使ってからダンジョンに潜ることにする。


 「ファイヤーボール!」まだ魔法が出ている感じはしない、剣を振れば物が切れるし魔力を使えば勝手に魔力が回復するものだから魔法も案外やってみれば発動するのかなと思っていたのだがそんなに甘くないようだった。だが着実に、少しずつ魔力の消費量が増えているのを感じる。これは確か良い傾向だったはずだ、馬車で読んでいた魔法書も役にたつ時が来るもんだな。


 いつもと同じ時間魔力を消費し宿に戻って着替えをしダンジョンに向かうことにする。「ふぅ〜やはり杖を持って魔法を使うよりも動きやすい服に身を包むと安心するな。」毎日杖を持って訓練所に行き終わったら腹ごしらえをしダンジョンに向かう、その時にいつも思うのだがやっぱり動きやすい服は最高ということだ。


 宿を出てダンジョンに向かい兵士に冒険者カードを見せて通して貰い歩く。これもいつも通りの行為なのだがいつもと違うのは少し先の道の脇から数人の魔力を感じたことだ。俺がいつも通っている道は明らかに人通りが少ないし危ないのだがこの国は襲われたら殺しても良いし、捕まえられたら勇者にされるのは有名人な話なのでマジで犯罪者は少ない、だがこのところ何故か立て続けに犯罪者と出会うな、めんどくせえな。


 「よう兄ちゃん、悪い事は言わねえからよさっきの場所で使ってた杖とその他の持ち物全部よこしな!」脇道からゴソゴソと4人出てきて1人がなんかでけえ声で言ってきたんだがあいにく門番の兵士のところまでは聞こえそうにない。最近特になめられっぱなしで少し気分が下がるな。


 「おいおい、怖くて声も出せねえか?そりゃそうだろなこの国において犯罪者はそうそういねえからよな!だがよぉ俺たちは違う国から来たんだ、だから犯罪なんてもんはなれてんだよぉ〜」ゆっくりと両手を上げて全ての指に指輪がハマっているのを見せびらかした後に剣を取り出した。あ、あの指輪全部初心者が付けてる物だ。「お前、魔法使いの癖にこの状況になってもビビらねえのは大したもんだ、だがもう時間切れだ!今から殺してやる、、と言いたいとこだが俺らの目的はペーパーだがいう貴族を殺したいだけなんだよ。だから、」敵はナイフを取り出した、「半殺しで許してやるよ、人質としてな!行けお前ら!」その掛け声に合わせて一斉に襲ってきた。いや、俺は前衛の冒険者なんだが、と思ったり。


 流石に殺すことには慣れているようで攻撃には一切の動揺が見られなかった。だが俺を殺すにはスピードが足りていないようで俺は危なげなく避ける。だが4人もいるとなると反撃が難しくいずれ攻撃を受けるのは目に見えているし襲われてただ殺すだけなのも面白くないので俺は洞窟に走ることにした。もし俺もこうやって稼げると分かったのならこうなっていたのだろうか、そんな事を考えながら。


 後ろから追いかけて来る音が聞こえるがそんな事を気にせず洞窟の中に入ると相手も入って来たようで昨日仕掛けた結界トラップが発動したようだ。一応入り口付近までモンスターが追いかけて来た用に置いていたのだが図らずもアイツらを引っ掛けてしまった。他の冒険者が入って来たとしても良いようにクエストを受注したギルドにも言ったのだが丁度良い事もあるものだ、まあ強かったら壊される程度のものなんだがな。洞窟内の足元は暗くてよく見えないのだが引っ掛からないように魔力が混ざっている糸を張っていた、普通の人は気づくわけがないよな。


 俺はそのまま洞窟で走り続け昨日見つけたモンスターの周辺を探し、少しして見つけたので剣で斬りつけて怒らせたところ追いかけてきたので来た道を戻ることにする。ダンジョンはどういう訳か1日に決まった数のモンスターが湧くことになっているらしくこれが良くもあり悪くもある。


 「あ、いた。」後ろにモンスターを引き連れて盗賊に近づいていく。あいつらはまだパニックになっているようでまだ俺に気づいてもいないみたいだ。というかこの頃追いかけられ過ぎではないだろうか、


 俺は煙幕と一緒に音が出るアイテムを投げた、するとまたアイツらはもっとパニックに陥ってバタバタしているところに俺を追いかけていたモンスターが襲いにいった。ダンジョン系のモンスターは音に良く反応するからな。


 「うぁぁぁぁぁ〜。」遠くで悲鳴が聞こえてきた。洞窟内なので凄く響くなぁ。あそこら辺は強いモンスターもいるのに馬車に乗っている時に襲われたのでモンスターもイケる系だと思っていたがどうやら苦手だったらしい。煙幕が晴れてくると2人血だらけで倒れており2人で戦っていた。


 良い感じに抵抗はできているみたいだがパニックになっているのと短剣なのもあって傷つけるだけで中々倒しきるにはいかないようだ。


 「クソッ、アイツはどこいったんだ。クソッ、クソッ、クソッ。」懸命にもがいているがまた1人倒れた。それを見てもう1人が逃げようとこっちに走ってきたのだがこっちにも同じものを貼っといたので来れないようだ。何度も叩いていたが破れる事はなく後ろから襲ってきたモンスターになすすべなくやられた。


 それを見て結界を解き刀でモンスターを殺した。俺は襲ってきた奴らに「もう悪い事はすんなよ〜。」と言って離れた。人は殺した事は無かったが他人で死ぬ人は何度か見たことがあったのでコイツらが死んだことに対してなんとも思わなかった。


 「俺ってやっぱり少し可笑しいのかもしれないな。」感じたのは襲われた事に対して興奮したのと死んでいった者への呆れだけだった。

 勇者=犯罪者 勇者村と言われる危険性が高い村に送られ勇者として生涯を終える人。

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