29魔法は最高に
冒険者学校の説明を受けた後近くの宿屋を探したら案外簡単に見つかった。それを受付の人に聞いてみたところあっちの方はこの時期になると祭りをするらしくそのための馬車が多く出るため他の村や遠くのところから人が多く来て満室になるらしい。一方こっちの方は学校に通う生徒は借りるが祭り目的の人はここまでは借りに来ないので借りやすくなっているらしい。
そして俺はというと魔法の練習をしていた。1日経ち自分用の魔法の杖を買い魔法を詠唱しながら撃ち込む。「ファイヤーボール!」この場所は魔法の使用が許されている場所らしく魔法を出しても魔力が出るだけで炎や水といった魔法が出ないようになっているらしい。朝飯を食べてすぐに来たのだが俺の他にも人がいる、ただ俺のような近接戦の格好をしている人はいないようでローブや軽装をしており親子や子供、そして老人や趣味として魔法を楽しんでいる人などがいた。この年の冒険者の魔法使いでここで練習していたらおかしいので納得だ。たまに遠くから子供がクスクス笑ってくるが気にせず練習を続ける。
それにしてもさっきの杖を売ってくれた店長には感謝だな。俺の事を気にかけてくれて色々アドバイスをしてくれた。まずは魔力の安定感を見てもらい俺には初心者の杖よりも値段が少し高い中級者用の杖をお勧めしてくれた。その理由を聞くとどうやら魔力は安定しているらしいので初心者用の杖の魔力を安定させる効果が薄くなるらしいし努力次第で短期間で魔法が使えるようになるかもしれない、なにより杖を育てた方が楽しいかららしい。そういった言葉を聞くたびに俺はスイに申し訳ない事をしたなと思う、突然変異で最強になったが。俺は店長の言葉を信じ中級者用の杖を買って今に至る。
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2時間くらい経っただろうか、一発一発気持ちを込めて撃ったが魔力が出た感じはしなかったが体の中は感じた事がないくらい魔力が回っている気がした。これがいい事だけではない事も分かっているがとても良い気分だ。こんだけ魔力を使うと腹も減るので昨日歩いて見つけた屋台で適当に腹ごしらえをして食い終わった後汗を流し今日のもう一つの目的だったギルドに向かう。今日向かうところはこの前行った王都の1番デカい所ではなくここの近くの小さいギルドだ。中に入ると時間が遅いのであまり人がいなかった。俺は一直線にダンジョン用の掲示板に向かう。ダンジョン用の掲示板はあまり受ける人がいないので紙の色が薄くなっていたりして新しいものでも結構時間が経っているように感じた。それらを見ていくとほとんどのものが攻略のものではなくギルドからのダンジョン内のマッピングに関するものだった。
「Cランク、Bランク、この古いのはAランクか、どれもやはり攻略ではなく調査だな。」掲示板の紙の古さ的にほとんど誰も使っていないのだろう。使われていない理由としてはまずこのランクはボスのランクではなく道中の敵の推定最高ランクなのでボス攻略となるとランクが高くなるのであまりにも不確定、後1、2階層を周回するのならばクエストを受けなくてもいいから受けていないのだろう。Bランク以上は攻略するなら誰か死ぬと言われるくらいクソだから誰もやりたがらないしやらなくてもダンジョン内からモンスターが出てくることがないのでそりゃ誰もやらないわな。では何故俺はやるのか、安全に攻略できるのに死と隣り合わせなのが気持ちいいからだ、それに俺の場合普通のクエストの方がちょっとだけ危険だしな。
取り敢えず俺はBランクのダンジョンの紙を取り受付に渡す。今は人が少ない時間からだからか1人しか受付の人がいなかった。「このクエストを頼む。」紙と同時にギルドカードを渡すと「少々お待ちください。」と言われて少し待っていると奥の部屋に案内された。
そこで椅子に座るように促されたので座ると2枚の紙をテーブルの上に置かれた。どうやらダンジョン内の通路が書いてあるのか。「こちらは前に挑戦をしていただいた冒険者の方が書き記したものです。これは私がこのギルドに配属される前、えっと、あった7年前に書かれたものです。正確かどうかは分かりませんがお役にたてれば幸いです。」紙に何年か前と書いてあったようだ。それを俺は一応貰っておくことにしてバックに入れた。
「協力感謝する。また何かあれば頼ることになるだろう。」俺が立ちあがろうとした時にまだ話が終わっていなかったのか話しかけられた。
「いえいえ、それにしても珍しいですねこの仕事をしてもう6年くらい経つのですが初めてでしたもん。ですがこんな日も来るだろうと思っていたのでスムーズにその紙を渡せて良かったです。」まあ分かってはいたがそんなに受けないもんなんだな。王都という事もあり周りはモンスターだらけでわざわざダンジョンに潜らなくても金は手に入るしな。
「リスクとリターンが合ってないからな、ダンジョン探索は。というかそんなにダンジョンを受ける人がいないのにすぐ了承出来たな。」少し気になっていた事を聞く、普通そんだけ受けつけてなかったら時間がかかるし俺が死ぬ可能性があるのでクエスト了承を躊躇うものだと思うのだが。
「あ〜それはですね、私がこのギルドの受付権ギルド長だからですよ。見えないと思ったでしょう!私もそう思います。ですが受付をしていたら冒険者の間で恥ずかしながら女神とか言われ始めてそれが広まって偉い人までいってこうなってしまったんですよ〜。それで何故私が女神と言われているのかなんですけど私がクエストの受付を了承した人で死んだ人がいないらしいのですよね。変な話だと思いますけどだからといってはなんですけど安心して頑張ってきてください。」
そんな不思議な話もあるもんなのか?「それはいい事を聞いたな。いつまでかかるかは分からないが頑張れせてもらうよ。」といって俺は部屋を出てダンジョンに行く準備を始めることにした。




