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2いつもの日常

 俺はドラゴンに吹き飛ばされた。まあ、いつものことだがな。いつも通り200、300メートルくらい吹き飛ばされたが俺は無傷だ、せいぜい服が汚れるくらいかな。


 「ふう、今日も頑張ったな。では、リコール。」


 そういうとその場所には何も残らずドラゴンはまた眠りについた。


 俺はいつも通りダンジョンの入り口に戻って来た。この頃は自分の成長ともう少しでドラゴンを倒せるんじゃないかと思っている期待感で毎日がとても楽しい。そして戻った時は真昼間なので薄暗かったところからいきなり明るくなるのでこればっかりは何回やっても目が慣れないな。ダンジョンに入るのが朝8時、4時間の移動でボス部屋へ、1時間の戦闘で地上に帰りダンジョンで取った物を換金する。最後に武器の手入れ、これが俺のルーティンだ。


 「とりあえず、換金するか。」またいつものように独り言を言っていると前方から4人組のパーティーらしき人たちが来た。


 「もしかしていつもここにダンジョンアタックしている人か?」前衛っぽいリーダーの男の子が話しかけて来た。


 俺は嘘をつかなくてもいいと思い端的に「ああ、そうだ。」と答えた。


 するとリーダーの子が「ここのダンジョンは簡単か?」と尋ねて来た。


 いきなり色々聞いてくるもんだから少しびっくりしたが、まずはパーティーのランクを聞いていなかったのでそこから聞いて行く事にする。


 「まず、君たちのパーティーのランクはどんなもんなもんだ?」俺の元いたところはAランクだったが他の所よりも安全に行動していただけでAランクのパーティーと合同でモンスターを討伐した時はこっちの方が圧倒的に動きが良かったので聞いたらどんな感じの実力かは俺でも分かるだろう。


 「今はCランクだ。前衛2、斥候1、治癒が使える魔法使い1のパーティー。ここは昔からここら辺で有名な場所でCランクになったら挑んでみたいと思っていたんだが誰に聞いても分からないと答えられて1年経って見に来たら貴方がいたので話かけたんだ。」


 なるほどCランクか、俺もあまり中のやつとは正面から戦ってこなかったが中にいる魔物とこいつらを見比べると正直自殺行為だとは思った。


 「うーん、悪いんだけど君たちにはこの場所はまだ早いかも知れない、多分死ぬ。それでも行きたいと言うのならば止めはしない。俺も冒険者だ、死に場所は自分で決めたいしな。」


 最低限の忠告だけをしておく。


 「そうですか。それじゃあ中のモンスターがどんなのかだけでも教えてもらっても良いですか?」


 こいつは図々しいが嫌いじゃないので教えることにする。


 「ああ、いいよ。それとここの階層の事も教えてやる。まずはこのダンジョンは10階層に分かれている。そしてこのダンジョンの特徴、群を作らないで単独で行動している。これは1から10までどれも同じ特徴だ。1から4まで同じ奴、5から9まで同じ奴10だけが違い奥にボス部屋がある。1から4までの奴はとにかく柔くて刃物類が一切通らないが魔法が有効的なダメージになる。5から9は逆にとんでもなく体が硬くなり魔法が効かない、だが弱点もあり関節部分は人間が来ている鎧と一緒でダメージが通るから関節を狙いよろけたところに魔法を撃ち込め。10階層は腐った犬だ、こいつがヤバいから注意しろ。」


 それを聞いてリーダーの子は少し考えたあと「ありがとう。仲間と少し相談する。」と言って横の道に入って行った。


 その背中を見て、「マジで危ないところは避け方がいいぞー」と最後の忠告をして村の方へ歩いて行く。最初の方はダンジョンの道がわからず2日、3日かけてマッピングをしてったのも今はもう良い思い出だなとか、さっきの子達大丈夫かなとか思いながら歩いて行ると村についた。


 村に着いて最初に行くところはいつも通り薬局屋だ。ここではさっき手に入れたアイテムを渡すとお金とそのアイテムを合成した解毒薬が貰える。


 「おーい、婆さんいるかい?」俺がそう声をかけると弟子の女の子が出て来てその後にいつもの婆さんが出て来た。


 「いつもご苦労様です。」弟子の子がそう俺に言うと、「また来たのかい、アンタも飽きないねー」と言うのがここにくると毎回話す会話だ。


 「ほら今日も持って来たんだろ。」婆さんがいつもの席に着いたのでその机にアイテムを置く。


 「ほら、報酬だ。」いつもの2ゴールドと解毒薬を貰う。毎日持ってきているので中を見ないで直ぐに渡してくれるのが素直に信頼されていると感じれて嬉しい。俺は満足して袋に物を入れると次の場所に向かうため、「ありがとう。」と言って店を出た。


 すると弟子があとをつけて来たようで「あの、」と声をかけて来たので、俺は振り返って「何だ?」と返事をした。


 弟子は少し話すのを躊躇っているようだったのだがようやく話し始めた。「いつも持って来て下さるアイテムって王都の方で売れば10ゴールド以上で売れますよね、冒険者の人が知らないってことはないだろうし、ましてや解毒薬なんて2ゴールドだし、、何でこの店で売っているのか気になっていて、ようやく今日聴く勇気が出たので質問してみました。」


 確かに王都なら金は凄く手に入る、何故なら需要が凄く高いからだ、王都の周りは毒系の魔物が多くここは毒系の魔物があまりいないのでほぼ売れないので安くなる。だが「誤解しないでほしいのだがまず第一にここにお世話になっているから安く渡しているわけではない、ただ単純に腕が良いと評判だからだ。まあ、最初は損だと思ってアイテムを渡していたが、面白い事に効果が日を重ねるごとに上がっていった。今だったらこの解毒薬20ゴールドくらいするんじゃないか?てくらい効果がおかしくなっていると思う。それにこの店、冒険者の中ではそこそこ有名なんだぜ、薬の効きが良いのに値段は安いって。まあ理由はそんなところか?安く売って安く買うそれが出来るから売ってるだけだ。」


 それを聞いて、「分かりました。」と弟子が言ったので俺は「それだけあの婆さんは凄いからしっかり学べ。」と言って歩き出すと「勿論です。いつか私も貴方に認められるくらい凄くなりますからね。」と言われたので歩きながら「期待してるぞ。」と言って離れた。

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