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高ランク冒険者の気まぐれ人生  作者: shy
気楽な人生
15/34

15 出発

 ライトと話した時から1日経ち俺は前にやっていた訓練をした後この村を出ることにした。取り敢えずはアイテムを使いまくったので調達も兼ねて王都のラーイッシュに向かおうと思う。週一くらいで馬車っぽい乗り物が来ているのでそれに乗り込むことにする。約一年泊まった宿に感謝してこの宿の主人とハイに挨拶をして金を払って向かうことにする。


 少し歩くと馬魔が停まっていた。あまり大人数で乗れる事が無いし予約もしてないので乗れなかったらどうしようと思っていたが運良く乗れるようだ。俺の他に四人パーティーと二人パーティー、馬魔をあやつる人で計八人で移動することになった、珍しく大人数で乗車が可能だった。


 パーティーのリーダーだろうか鎧の奴にお金を払い身分証を確認され程なくして無事出発することになった。鍛冶屋にも挨拶したし薬屋にも挨拶したのだが見送りに来てくれたみたいだ。それに宿屋の人達とライト達も来てくれた様だ。その人達に手を振りながら「ありがとう、また会おう。」と言って村を出て行った。王都はここから結構近いので三日程で着くと思う、ということでまずは戦力チェックだ。ぱっと見4人パーティーの方は結構バランスよく強そうで2人パーティーの鎧を着た方は強そうだが杖を持っている魔法使いの女の子は大して強くなさそうだ、だが結論俺の出番は無し。ということで魔導書を読むことにする、勿論書いてある字は読めるがほとんど内容は分からん。ではなぜ読むのか、これで他のパーティーの実力がなんとなく分かるからだ。剣士なのに魔導書を読んでいると俺のことを馬鹿にしたやつで強いやつはいなかったし何も言わないやつは最低限強かったからだ、今回は多分当たりだろう。とか思いながらのんびり時間が過ぎていく。今までは毎日全力で走ってボスに挑み続けていたのでこんな生活も悪くないと思った。そして出発してから時間が経った後にモンスターが現れたのだが他のパーティーがやってくれたので俺と魔法使いの女の子は見ているだけだった。周りからの目は少し痛いが俺はソロだしな、そう思っていると運転手が休憩と言ったので一旦降りることにする。


 取り敢えずここで自己紹介でもしておくか、4人パーティーの方に近づき「クラヨイだ、よろしく。」と手を出して伝えると無視された。4人パーティーの方はみんなゴツゴツしてる男だけだったのでこうなるかなと思っていたが悲しい。次に2人パーティーの方に挨拶をする。「クラヨイだよろしく。」と手を出して伝えると鎧の奴が前に出てきて何も言わずに握手してくれた、魔法使いの女の子は鎧の男に隠されていた。


 体をほぐしたり用を済ませたりして再出発し順調に進み夜になった。基本は冒険者が夜の見張り出来ないやつは出来るやつに交渉したりする、今回は四三で別れて夜の見張り担当だったので俺はガタガタ馬魔が揺れるところで寝袋型の魔道具に入り大胆に寝た。これなんといくら揺れても揺れを感じないんだよ。この世界は本当に魔道具が凄く発達しているのだがどれも高いのであまり金をかけるやつはいないし爆睡できるので襲われるて死ぬのも馬鹿馬鹿しいと思ってる奴が殆どだと思うので俺以外使っているのを見た事が無いな。


 俺は2人パーティーの人と一緒に座りながら焚き火を囲み見張りをしておく。普段なら軽く話したりしているのだが鎧の方はずっと鎧を着たまま話さないし女の子の方は夜が怖いのか怯えている様だが鎧の奴のせいで話しかけずらい。なのでボーと気配だけ感じていたのだがこういう時って余計な事を考えてしまう。俺はライトに話をした時スイが魔法を撃った事までしか言っていなかった何故なら俺のスキルを明かしてしまうからだ、冒険者は特殊なスキルの場合あまり話さない方が良いと言われているがあの後気になるらないか?なのに何も聴いてこなかった、という事は気を使ったのかそれとも興味がなかったのか後者だったら寂しいなとか思ったり。


 そんな事を考えていると鎧の奴が立ち上がり離れて行った。離れたといっても俺らの位置が見える場所で木の後ろに隠れながらこっちを観ている感じだ。恐らく女の子一人になった時に俺がどういった行動をするのかを観ておきたいのだろう、勿論俺は何もしない。そんなことより鎧の奴の方が興味がある、今日は気温も高かった筈なのに一回たりとも鎧を脱がなかったので恐らく良い感じの魔道具だと思うからだ。


 そんなことより俺は腹が減ってきたのでインスタントのスープを作る、勿論一人様だ。まず簡単野営鍋セットを取り出し火の上に鍋を乗せる、次に水を入れ固まっているスープの元を入れて沸騰するまで温めて完成だ。小さめの鍋なので直ぐに沸騰させられて丁度良い。インスタントスープはいつも買っているとこで入手するのだがあまり出回らないので殆どの人は見た事が無いだろう。


 それを俺は一人で頬張る。「ん〜、うめえ。」魔法使いの少女が信じられないという顔をしながら涎を垂らしたのを隠していた。今回の奴は匂いが特に強い物を選んだので無理はない。少し時間が経つと隠れている鎧の奴の方にも匂いがいったのだろうか少々殺気が感じられる。こんな事をしているが俺から話しかけづらいので話してくれという意思表示なんだ、悪いなと思いながら二杯目を作っていく。すると絶対に口を開かなかった魔法使いの子が耐えられなくなったのか涎を我慢しながら話しかけてきた。「う、クラヨイ様わたくしにも少し分けてくださりませんか?無礼なのは承知なのですがどうやらわたくしのお腹は悲鳴をあげております、どうかご慈悲を。」あ〜なるほどね、俺はなんとなくこの子の正体が分かった気がした。後身分証を勝手に見たのか?


 「そうこなくっちゃ、良いよほら食え?」俺はさっき自分で食った鍋におんなじ物を作ったのでそれをそのまま渡すと少し嫌悪感を感じてそうな顔をした後誘惑に耐えられなくなって美味しそうに全部食いやがった。


 「お〜い、全部食うんかい。」と言うと我に帰り「あ、ご、ごめんなさい。あまりにも体に染み渡る味で昨今こんなに美味しい物を食べていなかったので、、ではこうしましょう、王都に着いたらこれ以上の物をご用意いたしますのでご許していただけませんか?」と言われたので「はあ、しょうがない、それで手打ちにしてやろう。後今から用をたしてくるからこいつの事を見といてくれ。」また別の物を鍋に入れ俺は離れる、そして今入れたのはココアだ。


 俺は用をたして戻るついでに木の後ろに隠れている鎧の奴に話しかける。「よお、バレてるから出てきて良いぞ。」すると直ぐに出てきて剣を取り出した。「お、おい、落ち着け。」びびったフリをしながら俺もいつでも剣を取れる体勢にし話せる様にする。


 「おい、てめえら貴族のなんかだろう、マジでふざけんなよ。俺を巻き込むんじゃねえ。なんか馬車がデカいし誰も何も話さないと思っておかしいと思ってたから1番聴きやすそうな奴に聴く為に食べ物で釣ってやろうと思ってお前が離れたから飯を作った、そしたら話し方が普通では無かったからな、そうだろ!」この人数の護衛で王都行きしかも冒険者も乗せるとなると恐らく3人目か4人目辺りか。


 俺がそう説明すると剣をしまい顔の鎧を取った。出てきたのは女の人だったが顔に傷がある特徴的な顔だった、この世界治そうと思えば治せるので珍しい。「はぁ、バレたか、すまなかった、だが騙すつもりはなかった」頭を下げられた。「だがこうする事しか出来なかったのだ。私達は少し遠いところから王都を目指していたのだがこの頃の疲労もあり冒険者1人くらい欲しいと思っていた所だったのだが冒険者はあまり信用できない奴もいる、そこに丁度クラヨイどのが話かけて来て冒険者カードを見て他の奴より信用できると思い少し黙って王都まで行こうと思ったのだ。本当に何かする訳でもなく馬車の護衛兼客として一緒に行こうと思っただけなのだ。それで我々が貴族の者だと分かれば降りられる可能性が出てくると思い黙っていたのだ、本当に申し訳ない。」と言って至近距離まで近づいて来た。「詫びとして私にできる事なら何でもやる。」と言われたのだが、こいつだから顔に傷つけてるのか?


 「はぁ、じゃあこれでも貰ってくれ。」俺はバックから短剣を投げ渡した。「それ呪われてる奴、持ち手に人差し指を指を引っ掛けるとこあるでしょ?そこを引っ張ると手に針が刺さって魔力が無くなるまで動ける様になるから、もし本当に必要な時が来たら守ってあげて。」これで忠誠心を見たのだが、「え、こんな良い物をくれるのか?ありがとう。」と言って嬉しそうにしていたので信用して大丈夫だろう。


 「そんじゃ戻るぞ。」と言うと「そうですね。ところであなた本当は強いですよね?」と聞かれたので「それはギルドが決める事だ、」と言って会話が終わり焚き火の場所に戻るとココアは無くなっていた。


 「こ、これは、」ココアは一滴も無くなっていた。計算通り、「良いよ、王都で楽しみにしてるよ。」と言うと「はい、」と言って恥ずかしそうにした後鎧の女に怒られていた。


 一通り怒った後こっちに話しかけて来た。「それじゃ正体がバレたと言う事で自己紹介する。こちらルイ=ペーパー様だ、そして私はラニだ短い間だがよろしく。あ、馬車の中で寝てる奴らは覚えなくて良いぞ私の部下だからな。後これが報酬だ、着いてから渡そうとと思っていたのだが、受け取ってくれ。」俺は報酬を受け取り二度目の握手を求められたので握手する。「今度は信用してるぞ。」と言うと笑われて「信用しないで馬車の中で寝るのはお前の特技だな!」と言われた。

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