episode25〜謎の煙〜
たくさんの作品から見ていただき、ありがとうございます。
ボーカロイド系の音楽を取り入れた作品になりますが、あまり詳しくないのが現状です。
暖かい心で呼んで頂けると嬉しいです。
広場から、ある程度の距離まで離れたナナ達。
セダリアは未だ、その手に持っている物を頬張っていた。
(呑気だな… それにしてもよく食べること… )
「セダさん! 良いですか! これからは周りに気を付けなければなりません」
「いきなりどうしたの?」
「いきなりでは… そうですね。もっと早くからそうしておくべきでした。貴方様は庭師ではありますが、何よりもこの国の王族です。しかも婚活の身」
「ブフッ… ! 婚活!? え! 何言ってるの!? ナナッ!」
「え? 違うんですか?」
「あれは、リリィがっ… いや、元々はリリィの… あいつのせいでっ… 」
(この動揺具合は何かあるのか?)
「落ちっ落ち着いて下さい! それでもダメです! 私も一応独身で、一応… 若いです。そのような者と一緒に楽しくデー… デッ… !?」
ナナは、その側からそう見られている事実に、言葉を出せないでいた。
認めたくなかったからだ。
「とにかく、今は意中の方がいなくとも、いずれは… 」
セダリアの拳は段々と強くなり、遂にはその手に持つ串が折られた。
「あぁ! もうっ! それならナナがなってよっ!!」
「え…… ?」
(はっ! しまった! こんな所で… しかも半ギレ状態で言う事じゃなかった!)
ナナのその驚いた顔を見て、思わず目を瞑るセダリア。
「セダ… さん?」
「あ、ご、ごめん… 違うんだ」
そう言いながら、ゆっくりとその瞼を開く。
しかしナナの視線は、セダリアを通り越して、その向こうへと向いていた。
「ナナ?」
「セダさん、あれは何でしょう?」
「え?」
セダリアはナナが指差す方へと首を回した。
先程まで通ってきた広場の方から、真っ白な煙が見えていた。
ナナ達は、その脇道にいた為、煙から逃れていた。
微かだが、その隙間から人が何人も倒れているようにも見える。
「なんだ? カング広場の方か? 煙… 火事か!?」
(あっちは広場の方か!?)
その瞬間、ナナの身体はセダリアを越していた。
腕で鼻と口を覆うように、その場所へと突っ込むナナ。
セダリアが声を掛け、追いかけようとした時には、既に遅かった。
ナナのその身が煙に包まれた瞬間、パタリと倒れ込んでしまったのだ。
「ナナッ!」
そして、咄嗟に顔を何かで覆われるセダリア。
影で控えていた従者が、その煙を吸わせないようにしたのだ。
セダリアが目で従者に合図を送る。
しかし、その返答は虚しくも首を横に振るのみだった。
(クソッ! 何なんだ!? 一体何が起こっている!?)
セダリアは、その身を安全な場所へと移動させられていた。
普段とは打って変わって、怒りが抑えられない。
状況を従者に説明させるセダリア。
「何だとっ!? じゃあナナは… 」
「申し訳ございません。あれが何の物質かは分からない事には、セダリア様を近づかせるわけにはまいりませぬ。迅速に調査にあたりますゆえ」
「くっ… 早急にだっ」
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
(基本歌は歌っていません)
今後、作者が聞きながら執筆した楽曲をその都度、参考までに載せておきます。もちろんお好きな曲を聴きながら、楽しんで読んで頂けるといいと思います。
あまり、ボーカロイド音楽を聴いた事がないので、何かオススメなのがあれば、メッセージ等下さると嬉しいです。(ピアノの旋律がある物だと尚、嬉しいです)
文章に乱れや疑問がある場合もメッセージ等頂けると嬉しいです。
また、心ばかりの評価なども頂ければ大いに喜びますので、宜しくお願いします。




