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episode24〜息抜き〜


たくさんの作品から見ていただき、ありがとうございます。

本日2回目の投稿です。


ボーカロイド系の音楽を取り入れた作品になりますが、あまり詳しくないのが現状です。

暖かい心で呼んで頂けると嬉しいです。




あれから1ヶ月。

リリック殿下の花嫁候補選びも進んでいないように思えた。


何故なら、その皺寄せが全てセダリアに流れてきていたからだ。


誕生パーティーの翌日からほぼ休み無しのセダリアは、そのお相手をしていた。


その為、セダリアは都での評判も顔も広がっていた。



久しぶりに都へと出たナナ。


すぐ横には、お疲れモード全開なセダリアもいる。

もちろん、ナナもその理由を知っていた。


気分が優れないのか、その顔にはいつもの華がなかった。


「はぁ… 」


「… セ、セダさん? 長い間、お忙しかったようで… 今日はお部屋でゆっくりされてても良かったのでは?」


その言葉を聞いたセダリアは、少し目を細めてナナを見た。


「嫌だっよ! 僕がどんだけ頑張ったと思ってるの!?」


(随分と心が荒れてるな… )


「今日くらいは解放したい! 美味しい物をナナと食べたいっ!」


(美味しい物… たらふく食べてきたんじゃ… )


「わかりましたよ… でも先にお使い済ませてからですからね!」


仕事の一環で来ていたナナは、購入リストを片手に都を歩き回った。


その間も、至る所で声を掛けられるセダリア。


そのほとんどが、例の御令嬢達であった。

または、その親族。


結婚相手の矛先はリリックから、セダリアへと移行し始めていたのだ。


もちろん、リリック殿下のお眼鏡に合えば、願ったり叶ったりだ。


しかし、セダリアも年頃の王族であるのには変わりない。


しかも、顔もかなりの美男子である。

それに加え、リリックにはない愛嬌の良さと気遣い。

モテるに決まっている。


もはや、リリックを通り越してセダリアが本命と化している令嬢も少なくはない。


一通りの買い物が終わると、ナナは更にげっそりしていたセダリアが目に入った。


(まずい! 仕事モードでセダさんの事、すっかり忘れてた!)


そう思いながら、ナナはセダリアの腕を引っ張りながら、ある方向へと指を差した。


「あ! ほらっ… セダさん、良い香りがしてきましたよ! あっちに行ってみましょう」


「え? 匂い? 匂い… はぁ。鼻がもげそうな程のキツイ匂いを毎日嗅いでたせいだ… 都の匂いがわからなくなってる! ナナッ! たくさん嗅ぐよ!」


「え? えぇー私は食べたい… 」


そう言われ、ナナはその腕を逆にグイッと引っ張られた。


匂いを辿って行くと、大きな広場に出た。

中心には、大きな噴水が佇んでいる。


その周りには、心地良い音と共に、地面からも水が至る所から、飛び跳ねるように出ていた。


「うわぁ… 素敵! こんな場所があったんですね!」


「ここはね、都の中心にあるカング広場だよ」


「私達がリサイタルした場所より、何倍も大きいですね!」


「そうだね! ここはね、夜になるともっと綺麗なんだよ。今は音だけだけど、夜には様々な光も加わる」


(イルミネーションってことかしら)


「そうなんですね。見てみたいなぁ… 」


「そうだね。また今度、夜にも来よう! それよりナナ! お腹空いた!」


「え… あ、はい」


(もうちょっと見ていたかったんだけど… )


「あ、でもセダさん、私そんなに持ち合わせが… 」


「何を言っているの!? 僕を誰だと思ってるの?」


「あ… 」


(とんだ金持ちだった)


その広場は、とても賑わっていた。

両手にいっぱいの食べ物を持って、辺りを見渡すナナ。


「今日はお祭りかなんかですか?」


「え? うーん、違うと思うけどな… でも確かにいつもよりは人が多い気が… 」


「なるほど。それにしても… 」


ナナは、突き刺さるような視線が気になった。


それも1つや2つではない。


(はっ! そうか! これはとてもまずい状況なんじゃ!)


そう思いながら、ナナは辺りの御令嬢達の視線を自身達に浴びせられている事に気が付いた。


しかもこんな目立つ都の広場で。


セダリアと言う、この都中の令嬢たる御令嬢達が狙っているとびきりの獲物と2人きりでだ。


絶対に通用する言い逃れを考えなければならなかった。


(召使いとでも言っておこう… )


しかし、横並びに立ち、更には買ってもらった食べ物を頬張る召使いがどこにいるのだろうか?


(いや、ダメか… それなら、妹? いや、もっとダメだ… ゔぅ… どうする… )


ナナの顔が段々と険しくなる中、隣にいたセダリアがその顔を覗かせる。


「ナナ? どうしたの? 口に合わなかった?」


「う、うわぁっ!」


ナナは驚きのあまり、声を上げてしまった。


「?」


「セ、セダさん! ひとまず、ここは退散しましょう」


「え? 何で?」


「いいからっ」


そう言うとナナは、その背中を力いっぱい押し進めた。





最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


(基本歌は歌っていません)

今後、作者が聞きながら執筆した楽曲をその都度、参考までに載せておきます。もちろんお好きな曲を聴きながら、楽しんで読んで頂けるといいと思います。

あまり、ボーカロイド音楽を聴いた事がないので、何かオススメなのがあれば、メッセージ等下さると嬉しいです。(ピアノの旋律がある物だと尚、嬉しいです)

文章に乱れや疑問がある場合もメッセージ等頂けると嬉しいです。

また、心ばかりの評価なども頂ければ大いに喜びますので、宜しくお願いします。


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