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episode22〜リリィ〜


たくさんの作品から見ていただき、ありがとうございます。

ボーカロイド系の音楽を取り入れた作品になりますが、あまり詳しくないのが現状です。

暖かい心で呼んで頂けると嬉しいです。




パーティー前に受け取ったある言伝。


それを司令と受け取ったナナは、従順にリリックの部屋へと向かっていた。


(あ、このまま来ちまった! … 着替えた方が良かったかな?)


そう思いながらナナは、その部屋の扉を叩く。


いつものように、彼の側近が中へと通してくれた。


その手には、念の為のプレゼントが握り締められていた。


しかし、部屋の片隅に先程の豪華なプレゼント達が積まれているのを目にし、その手を更に引っ込めてしまったナナ。


少しそわそわしながら、リリックの側へと近寄る。


いつもは座っているリリックだったが、今宵は少し違った。

窓から見える月を眺めるように、夜風に当たっている。


「ご機嫌よう。リリック様」


「あぁ。その通りだ」


「えっ!?」


「む、なんだ?」


「あ、い、いえ… 」


(ご機嫌なんだ… 超絶わかりにくいよ)


「歌… さっきの」


「えっ! あ、やっぱり良くなかったですよね! 調子に乗ってつい… 申し訳ございません。もう… 」


「聴きたい」


「え?」


「もう一度、聴きたい」


「え、あ、もう一度ですか!?」


「そうだ。何度も言わすな。今ここで… 」


「え!? こ、ここで!? 嫌ですよ!」


しかし、その視線は外されない。

王族の命令は絶対だ。

更に突き刺さる視線。


(ゔぅ… そうだった。私は決して重い命ではないんだった… はぁ… )


「わ、わかりました。では… ひとつだけお願いが… 」


「なんだ?」


その言葉に、側近の眉もピクリと動く。


「ここではない場所でもよろしいでしょうか?」


「ん?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そこは王宮の西側にある。


真っ白な花が一面に見える庭。


そう、ナナはロディーと共に、その花達を咲き誇らせる事に成功していたのだ。


その情景に目を見張るリリック。

珍しい表情に、ナナも少しだけ誇らしげにニコリと笑う。


「この花、お母様がとても好きな種類なんですってね? 私、生まれて初めて本物を見ました。それもこんなにも… 本当に素敵ですよね」


「これを… 全てナナとあの少年が?」


「ロディーです。あの子の名前はロディーですよ、リリック様、ふふ」


「そうか… ロディーか」


「リリック様、この庭に来るのはいつ以来ですか?」


「年に何回かは足を運んでいるが?」


「では、この花を見るのは?」


「幼い頃に見たきりだ。それからは記憶がないな」


「そうですか… ではこの花の意味も? ご存知ないですか?」


「花の意味?」


「この花は百合ですよね。真っ白い百合の花。花言葉は自尊心、誇り、高慢、栄華、偉大という意味があるみたいです。まさにリリック様にピッタリですね」


「俺に?」


「… そして、別の名をリリーと… ふふ、リリック様と同じリリィ… 素敵」


その言葉に、リリックは心臓が少し跳ね上がった。


「そう… だったのか… 知らなかった」


その横顔が、少し柔らかく見えた気がしたナナ。


つられて綻んでしまうナナの表情に、リリックは高鳴る心臓が走り始めるのを感じる。


「お前は… この俺をどうしたいんだ?」


「え? ど、どうって… 」


「まぁ… いい。それより… 」


「ゔうんっ… では、少しだけ… 」


そう言うと、ナナは一度深呼吸をした。


そして先程、演奏の際に口ずさんでしまった、曲のワンフレーズを歌い始める。


いつもながらの表情ひとつ変えないリリックに戻っていた。


(あれ? 何なのこの人… )


ナナは感動の展開に至るかと思えば、期待が外れたように思えていた。


しかし、その心は見えないうちに、加速していたのだ。


ゆっくりと、リリックの足がナナへと近づく。


そして、いつも通りの横暴な命令が下る。


「お前… 他の者の前で、今後一切歌は歌うな」


「え? 他の者の?」


(何故? 下手だから?)


「この前もそうだったが… あれは良くない。もう俺の前以外では歌うな。歌うことがあればその口を塞ぐ」


(ふ、塞ぐ… それってやっぱり首を刎ね… )


しかしその瞬間、リリックの顔が近づいたと思ったら、唇に柔らかい感触が流れた。


ナナの思考は完全に停止した。


「こうやってな」


またしても顔色ひとつ変えないリリックは、即座に踵を返し、今日はもう戻れと、そうひと言残して部屋へと戻ってしまった。


百合の強い匂いをもってしても、ナナの思考に刺激が入らなかった。


会いた目と口が塞がらない。


(アガ… アガガガガガガ… ど、どういうことーーーーー!?)


ナナは、声にならないその声で叫んだ。


その後、その手にあったはずのプレゼントがない事に、気が付いた頃には、どうでも良くなっていた。


どうせ受け取ってもらえないことと、口づけをされたことで、頭がいっぱいだったからだ。






最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


(基本歌は歌っていません)

今後、作者が聞きながら執筆した楽曲をその都度、参考までに載せておきます。もちろんお好きな曲を聴きながら、楽しんで読んで頂けるといいと思います。

あまり、ボーカロイド音楽を聴いた事がないので、何かオススメなのがあれば、メッセージ等下さると嬉しいです。(ピアノの旋律がある物だと尚、嬉しいです)

文章に乱れや疑問がある場合もメッセージ等頂けると嬉しいです。

また、心ばかりの評価なども頂ければ大いに喜びますので、宜しくお願いします。


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