表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/70

episode20〜煌びやかな世界〜


たくさんの作品から見ていただき、ありがとうございます。

ボーカロイド系の音楽を取り入れた作品になりますが、あまり詳しくないのが現状です。

暖かい心で呼んで頂けると嬉しいです。




その部屋に1人になったナナは、再度自分の姿を見た。


(それにしても… 素敵なドレス… 私にはもったいな… あれ? でもこれじゃ… )


「会場のお手伝いができないじゃないっ!」


(待って… 待って… 私の出番は確か終盤… えっ!? それまで何してるの!? てっきり、会場の仕事しながら、最後の方に演奏するのかと思っていたけど… )


ナナは、段取りを確認していなかった。


(この部屋に待機してるにも… 会場の様子がわからないと、出遅れる可能性もあるし、誰かが呼びに来てくれるとか… そうかっ! セダさんがきっと… )


そう思っている側から、部屋の扉にノックの音が響いた。


(ほら! やっぱり、呼びに… ん? 早くない?)


ナナの予想通り、その扉の前には正装を纏ったセダリアの姿があった。


そっと、扉の隙間からその姿を確認する。


「セダさん、こりゃまた素敵に仕上がってますね… 」


「え? うん、ありがとう。ナナは準備できた?」


「じゅ、準備… そうですね、はい」


その隙間からは、ナナの全貌が見えない。


「ん? どうしたの? 何か問題でもあった?」


「問題… そうですね、問題だらけです」


「え!? どういう意味? 大丈夫?」


「こんな姿じゃ人前に出れません」


(2週間前も同じような事言ってたな… )


セダリアはそう思いながら、その扉を力尽くでこじ開けた。


「ほらっ!」


その瞬間、セダリアは脳内の景色が変わった。


ナナと言われればナナだ。

しかし、ナナと言われなければ、その目の前には美しく着飾った1人の女性が居たのだ。


(これは… )


言葉を失うかと思った。


しかし溢れた言葉は、ナナにとっては聞き慣れないものだった。


「… くしい」


「え?」


「本当に美しいよ… ナナ」


そう言いながら、その頬に手を滑り落とした。


顔が真っ赤になるナナ。

背けるようにして、顔を伏せる。


「ご、ご冗談を… 」


「いや、本当に… 」


「… っ… 、そ、それよりもう会場に行かないといけないんですか? 私、てっきり演奏まではお手伝いをするのかと… でもこの格好じゃ動きにくいですし… 」


「そうだね。ナナは参加者扱いだから、手伝いはしなくて大丈夫なんだよ」


「参加者? ですか?」


「うん! だから、一緒に楽しもうね?」


「え? 楽しむ? この私が? え? なんで?」


「ふふ、さぁ行こうっ」


そう言いながら、ナナの手を引いて会場へとその身を誘った。


そして、ナナはその煌びやかな世界へと足を踏み入れたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


場違いのざわめきに、ナナは変な緊張感に包まれていた。


「何か飲む?」


そう言いながら、適当にグラスを手に取り、ナナに渡すセダリア。


(さすが王族坊ちゃん… 手慣れてやがる)


ナナはどう振舞って良いのかわからずに、硬直していた。

とりあえず受け取った、その未知の飲み物を口に含む。


(うんまっ! 何じゃこりゃ!)


ナナのその驚いた表情を見て、セダリアは思わず吹き出してしまった。


「ふふっ… 美味しい?」


「え? あ、はい… とても美味しいです」


ナナはそのグラスを片手に会場を見回しながら、その雰囲気を眺めていた。


何処を見ていいのか視点が定まらない。


その間にも、セダリアのところには、入れ替わり立ち替わり挨拶に来る人々がいた。


(さすが… 王族… これが身分の差)


その中でも、主に美しきかなご令嬢達が多かった。


(独身王族… モテモテや)


ナナは徐々に、その身をセダリアから離していった。

と言うよりかは、ご令嬢達に押されるように、場所を移動せざるを得なかったのだ。


(お、落ち着かない… )


そう思いながら、出来るだけ影となり、そして空気になろうと思った。


(そういえば、主役のリリック様って何処に… あ、いたいた)


ナナは会場フロアの階段上方に、座っているリリック殿下の姿を見つけた。


近くには、国王とその王妃が座っているのも確認できる。


(うわぁ… めっちゃつまらなさそう… ん?)


その時、ばちりと目が合ったような気がした。


しかし、その瞬間会場が静まり返った。


とある大臣が、その場を仕切り始めたのだ。


主役は微動だにしない。

その姿はいつも通りの冷酷無比が健在していた。

そのうち、優美な音楽と共に参加者達のダンスが始まる。





最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


(基本歌は歌っていません)

今後、作者が聞きながら執筆した楽曲をその都度、参考までに載せておきます。もちろんお好きな曲を聴きながら、楽しんで読んで頂けるといいと思います。

あまり、ボーカロイド音楽を聴いた事がないので、何かオススメなのがあれば、メッセージ等下さると嬉しいです。(ピアノの旋律がある物だと尚、嬉しいです)

文章に乱れや疑問がある場合もメッセージ等頂けると嬉しいです。

また、心ばかりの評価なども頂ければ大いに喜びますので、宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ