表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

五億円貰えるボタンがある。ただし……

作者: 雉白書屋

「……なあなあ」

「うん?」


「五億円貰える代わりにさ、肛門から――」

「ない」


「え、うん?」

「五億円なんて貰えない」


「え、あ、うん。いやさ、そういう話のネタがあるじゃん? 何億円貰える代わりに押すとあれがこうなるボタン的なさ」

「そんなボタンはない」


「ん、だからさ、そうなんだけど。ちょっとしたさ」

「ない」


「え、お前、うちの母親?」

「違うけど、何? 怖」


「いや、全然話通じねーじゃん! そういう話なんだからさ! 一回呑み込んで考えてみようってなるだろ!?」

「でもそんなボタンないよな? 考えても無駄じゃん」


「いやいやいやいやさーあ!」

「え、あるの!? マジ!?」


「いや、ないけども……その、ただ五億円あったら何買う? とか空想の五億円の使い道を考えるとかじゃないんだから、完全に時間の無駄とかではないじゃん。ちょっとした世間話じゃん!」

「あー、そういうね」


「そう、やっとかよ……でさぁ、ふふふ肛門がさぁ」

「押さない」


「……んー、まだその条件を全部言ってないんだけど、なんで?」

「本当にお金が貰えるとも限らないし、考えるのも馬鹿馬鹿しい」


「だからお前、うちの母親かよ!」

「だから違うって。俺に母性を見出すなよ」


「見出してねえよ! いいか! 肛門からなぁ!」

「ねぇ、あんたぁ。食事の席であまり肛門とか言うんじゃないわよ」


「俺の母親に寄せて来るなよ、くそぅ……だからさぁ、肛門からな……」

「お前、泣きそうじゃないか。ホームシックか?」


「ちげぇよ! お前が俺の話に乗ってくれないからだろ! なんだよ! 人を呼び出しておいて全然話さないから俺がなんか話を振らなきゃなって思って……おい、お前、そのボタン」

「……このボタンを押すと三十万円失う代わりに俺と永遠の友情が結ばれる。さあ、どうする?」


「いや、それこの店の呼び出しボタンだろ。てか、え、お前、金貸して欲しいの? それで今日呼んだ?」


 ――ピンポーン

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ