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小さな灯火

作者: 檸檬

瞳を閉じて


あなたに触れたい


言葉を聞きたい


感じ取れるもの


見えない世界だから


深くワカル


あなたの声は


私の深い場所まで


届いている


二人の歩調でゆっくりと


手をたずさえて歩いて行きたい


日々の見落しそうな欠片たち


ありふれた奇跡を思い記す


その輝きを心で感じて


花を選んで 


スープに添えるパンを


買って帰ろう


光る湖畔のベンチで


木々の奏でるメロディーに


夕暮れまで耳を傾けたら


あなたの入れてくれる


温かな紅茶を想像してみる


きっとそれは


ローズマリーをいれた


ティーポット 


そこに ミルクを混ぜると


淡いピンクに変化する魔法


窓辺に氷柱がキラリと光る


凍りついた水の妖精が動きだす


春は近いよと微笑んでいる



きっとこの先


春の嵐もやってくる


山の上からゴォーと


暗雲が立ち込めて


海面よりザァーと


雨が流れ打ちつける


風が森をザワザワと揺らし


ゴロゴロと伸びる


雲の合間を鋭く差す矢の光


空をうめつくした


一瞬の白い稲光に映る


夢 幻のあなたの面影に


心揺さぶられる


稲妻をキッと睨みつけ


光と闇が交差する荒野を


タカの低空飛行の様に飛んで


早くあなたの待つあの部屋ヘ


帰りたい



眩しい光でなくていい


私にはあなたのほんの一部でいい


私たちの瞳にともる光は


小さなランプでいい


それで十分


心に灯りがともされていく


あたたまっていく


眩しい照明は消して


そっとゆらめくランプを


つけてください


お互いの瞳に映る自分と


ゆらめく小さなともしび


その灯で十分です


その小さな灯りを囲んで


歌を歌いたいのです



(2022.1.29)


















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― 新着の感想 ―
[良い点] 光る湖畔のベンチで、木々の奏でるメロディーに耳を傾ける夕暮れ。 ローズマリーを入れたティーポットが、淡いピンクに染まりゆく魔法。 そっとゆらめくランプの灯火を映す瞳。 日々の見落としそうな…
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