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ワルプルギスの夜  作者: 崇詞
終局編
24/26

終局Four:体をあげる

「勝って、そして生きて欲しい。」

逆凪 青依(ぎゃくなぎ あおい)の言葉を受け取り、伊賀崎 優汰(いかさき ゆうた)は伊賀崎 正嗣(まさつぐ)に立ち向かう。

「来い!プリテンダー!」

「行くぞ!正嗣!」




優汰が先手必勝とばかりに懐に潜り込み、みぞおちに強化した拳を見舞う。

「はっ!」

正嗣は転移で回避しつつ優汰の背後をとる。

「たああああ!」

優汰は背後の正嗣に回し蹴りで首元を狙うが、魔力の壁に阻まれる。

「お仕置きだ。」

正嗣が強化した拳骨を優汰に打ち込む。

「痛ぅぅぅ!」

「遅い。」

正嗣が回し蹴りで優汰を部屋の壁に吹き飛ばす。壁に打ち付けられた優汰に正嗣が魔力弾を放つ。

「くっ!」

優汰はギリギリで回避する。優汰も魔力弾で反撃する。正嗣は転移で回避しつつ優汰の首を掴む。

「私も、もうアラフィフだ。ステゴロではお前に勝てん。だが、私の魔術を突破しない限りお前の勝ち目はないぞ?」

「うっ!」

正嗣の胸ぐらを両手で掴み、頭突きをかます。

「な、ぐっ、あああ!」

正嗣は優汰を放し、頭を抱えながら後退りする。

「はあ、はあ、はあ。初めてまともなのが入ったな。」

すかさず、優汰は殴りかかる。正嗣は優汰を転移させ、転移した優汰の拳は空振り、勢い余って壁に激突する。

「この野郎・・・」

正嗣が魔力弾で優汰の真上の天井を攻撃する。崩れた天井が優汰に向かって落下してくる。

「マジかよ!」

ギリギリで回避して優汰は魔力弾の仕返しをするが、正嗣の魔力の壁に阻まれる。

「はあ、はあ、はあ・・・」

「どうした。もう息切れか?」

「お前と違って、こっちはまあまあ動き回ってんだよ!はあ。」

「・・・ここでは、絵夢(えむ)を巻き込みかねんな。」




「こんなものか・・・」

「すげえ・・・・・」

バルリア・アンラ・トシティが獣魔を殲滅し尽くす光景を目の当たりにして姫里 風花(ひめさと ふうか)萱瀬 蓮人(かやせ れんと)は驚愕する。

守護者(ガーディアン)の理論を応用したものと聞いていたが!・・・・・歯応えの無い。」

圧倒的な戦闘能力に獣魔達はなす術がない。

「これか。」

オートキャストの魔法陣をバルリアが破壊し、獣魔を止める。

「あ、ありがとうございました!危ないところを助けていただいて!」

「任務ですから、お気になさらず。」

「任務って、バルリア一等執行官?」

「獣魔の殲滅、そして・・・お前と正嗣の身柄の確保だ。」

「そうなんですね!どうぞ、萱瀬です、連れて行って下さい!」

「姫里!薄情が!」

「大人しくしていろ、それで怪我はしない。」

「もっと女らしくしたらどうなんだ?可愛げないな!」

「ほう、体が大人しくなったら口が悪くなってきたな。」

この後、めちゃくちゃ殴られた。




正嗣が自分と優汰を転移させ、屋上に移動する。

「はあ、はあ、はっ、はあ。」

「来い。」

「うおおおおおお!」

息を整えて、優汰は再び正嗣に殴りかかる。だが、

「あっ、うっ、胸が・・・」

「・・・終わりだ。」

「な、に?」

「お前は後1日ほど魔力が持つはずだった。だが、戦闘による激しい運動で心拍数が上昇して、本来持つはずだった心臓の魔力が尽きようとしている。」

「優汰!」

「青、依・・・」

「優汰・・・私の体をあげる。」

青依は紙を取り出す。

「それ、は?」




「青依、一応食事を持って来たよ・・・・・何これ!?」

床一面にばら撒かれた大量の紙。その紙一つ一つに魔術の術式がびっしりと書かれている。

「何って、君を救う為の魔術だよ?優汰。」




「あの、時の・・・」

優汰は意識を失う。

「待ってて、今助ける。」

大量の紙に青依は魔力を込める。込められた魔力で魔術が発動し、優汰の『魂』を『肉体』から切り離す。切り離された魂を青依の肉体に繋ぎ止め、優汰の肉体情報が青依に上書きされる。そして元の優汰の肉体が間抜けの殻になる。




「優汰。」

「青依?」

「私の体を優汰の肉体情報で上書きした。もうこの体は優汰のものだよ。」

「ま、待って!青依!」

「一つだけ、約束して優汰・・・バイバイ、優汰・・・」

「青依ーーー!!!」




優汰は目を覚ます。

「これは・・・」

優汰は自分の体の違和感に気付く。生きているとは思えないほど低い体温、全身の浮遊感、そして先程までの胸の苦しさは跡形もなく無くなっていた。

「な、何が起きた!!!?魔法使いがプリテンダーに!?」

「青依が、オレに体をくれたんだ・・・」

正嗣が紙に書かれた術式に目を通す。

「なるほど・・・『ワルプルギスの夜』の応用か。自身の肉体情報を上書きして、優汰に譲ったわけか・・・本来なら慎重に行わなければならない『人体に対する変化の魔術の行使』も、魔法使いの肉体なら関係ない・・・」

正嗣は術式から何が起きたかを分析する。

「これは・・・そうか、第五魔法!死者の蘇生は死者の魂の召喚、致命傷の治癒、そして()()()()()()()()()()、寿命を装填する。」

「・・・正嗣。」

「・・・なるほど、『ワルプルギスの夜』と第五魔法の合わせ技か!面白い!」

「正嗣!・・・お前を断罪する!青依との約束なんだ!」

「ほう・・・では先程の続きということか?プリテンダー。」


「これで最後だ・・・伊賀崎正嗣!」

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