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ワルプルギスの夜  作者: 崇詞
終局編
22/26

終局Two:正嗣を探せ

「あれ?・・・・・・・まさか!」

伊賀崎 優汰(いがさき ゆうた)姫里 風花(ひめさと ふうか)は一旦、家に戻る。

「姉さん!」

家中探し回るが、姉の伊賀崎 絵夢(えむ)の姿が無い。

「優汰、これ・・・」

風花が紙を手渡す。どうやら手紙の様だ。


優汰へ


 ごめんね、優汰。私はお父さんの儀式で魔術師に戻る。

 優汰も青依ちゃんも納得しないかも知れないけど、

 私の勝手を許してほしい。

 結局、私はお父さんと同類の黒魔術師だから。


                      絵夢より


優汰はその手紙を握り潰す。

「優汰・・・」

「大量の獣魔は陽動、あの量の獣魔なら俺ら4人総出で行く。その隙に姉さんをさらった!・・・やられた。」

「優汰、どうする?」

「一旦、青依達と合流しよう。蓮人が儀式の場所を知ってるらしい・・・」

「優汰、大丈夫?」

「大丈夫だ・・・・・なんでだよ、姉さん・・・」




「い、嫌だ嫌だ!消えたくない!」

サキュバスが消滅していく体で泣きながら喚く。悪魔相手に警戒していた青依と蓮人だったが、実際戦って見るとあっさり青依が心臓部の霊核を貫かれた。

「なんか、意外と呆気なかったな。」

つい先程までサキュバスに魅了されていた蓮人だったが、青依がサキュバスを倒したことで正気に戻る。

「しょうがないじゃない!私、そもそも男を落すのが専門で、戦闘なんてできないんだから!」

「私が居たことが運の尽きね。」

「嫌ーーー!」

サキュバスが消滅したのを確認し、先へ進む。




「これは!」

「オートキャストによる、獣魔の自動召喚ね。ご丁寧に宝石の魔力タンクで伊賀崎正嗣(まさつぐ)の魔力を消費しない様になってる。」

青依が宝石を破壊する。

「おお、獣魔召喚が止まった!」

「これでよし。」

「この宝石の欠片貰ったっていいかな?」

「窃盗罪ね。」

「ちぇ、ケチだな!」

「死後、死者の国で私に虐められたいならどうぞ?」

「死んでもごめんだよ、バカやろう!」

「その頃にはもう死んでるけどね?」

青依が辺りを見回す。

「ここは正嗣のアジトじゃ無いようね。」

「どうするんだ?魔法使い。」

「・・・ひとまず、優汰の家に戻ろう。もう日が沈んでる。15人の命がかかってる。急いで伊賀崎正嗣を見つけたいけど、とりあえず今は二人の生存確認が優先。」

「そうだな、わかった。」




蓮人からの連絡を受け、家で待機していた優汰と風花に、青依と蓮人が合流する。

「なるほど、それでまんまと絵夢を連れ去られた訳か。」

「絵夢が向こうに持って行かれたなら、儀式のために必要な全てが多分もう揃ってる。」

「でも、儀式の場所がわからないと、どうにもならないでしょ?どうするの、青依さん?」

「どうするのって言われても・・・」

「それが、姉さんのスマホが見当たらないんだ。もし、姉さんがスマホを持って行けていたなら、GPSで場所がわかるかもしれない。」

優汰の思惑通りGPSが家の外、夜見川市の町外れを示す。

「ここは・・・」

「どうしたの、萱瀬?」

何か知ってるような反応の蓮人に風花が尋ねる。

「ここは、俺が正嗣から魔術を教えてもらってた場所だ・・・町外れの廃ビル、5階建てのヤツだ。」

「廃ビルなら下の階に獣魔を警備させておけば、外に獣魔を出さずに済む・・・この場所で間違い無さそうだな。姉さんはここにいる。」

「なんか、最後の最後で詰めが甘い気がするんだけど・・・罠じゃ無い?」

風花が罠の可能性を指摘する。

「その可能性も捨て切れないが、魔術師ってのは科学技術に疎い奴が多い。科学が未来を目指す学問なら、魔術は過去を目指す学問だからな。正嗣のやつがスマホのGPSを知らない可能性はあると思う。俺だってスマホのどうこうはスマホショップの店員に説明されても、ちんぷんかんぷんだ。」

「萱瀬、それ自慢になってないよ。」

機械音痴を自慢する蓮人に風花が突っ込む。

「まあ、正嗣が機械音痴かどうかはわからないけど、他に当てが無い以上、ここに行くしか無いと思う。蓮人、道分かる?」

「ああ、当然だ。」

「よし、行こう。」




「ここだ。」

蓮人に案内されて、4人は町外れの廃ビルに到着する。夜の暗さと相まって、かなり不気味な雰囲気だ。

「5階から光が漏れてる・・・当たりっぽいぞ!優汰のお手柄だな。」

「優汰のお父さん、本当に機械音痴なんだ・・・」

「儀式がもう始まってるかもしれない、突入だ。」




「ようこそ、魔法使い御一行。正嗣の旦那は5階でお取り込み中だ・・・やっぱ、儀式のお邪魔をしに来たってことかい?」

「ハエの悪魔?」

現れた悪魔に優汰が反応する。

「ああ、バエルってんだ。正嗣の旦那にはお前らを近づけるなって言われてる。どうだい、ここは一つ手を引いてくれねえかい?」

「15人もの人の命がかかってる。私は抑止力使者で、第五魔法の魔法使い、引けるわけないでしょう?」

「そうかい、残念だ。」

バエルが指を鳴らすと、大量の獣魔が2階から降りてくる。

「じゃ、こいつらの相手をしててくれや。」




「優汰、青依さん、ここは私と萱瀬に任せて先に行って!」

「大丈夫か、その二人で!?」

「私が萱瀬を守って、萱瀬の獣魔で敵の獣魔を倒す。」

「で、でも・・・」

魔術初心者の風花と、サモナー戦術で本人は戦闘力皆無の蓮人を残して行って良いものか、優汰が迷っていると、

「・・・先を急ぐわよ、優汰。」

「・・・頼んだ!」

二人を残して、優汰と青依は先に進む。




「優汰達が来たか・・・あと、1年と4ヶ月、バエルが足止めしている間に間に合うといいが・・・」

正嗣は百体の悪魔の思考を加速させながら、そう呟いた。

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