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ワルプルギスの夜  作者: 崇詞
解明編
15/26

解明One:who are you?

「ヒャッフー!!!ハズレは殺しつくせー!」

「GAAAAAAAA!!!」

 街に獣魔を引き連れた悪魔が現われ、逆凪 青依(さかなぎ あおい)伊賀崎 優汰(いがさき ゆうた)姫里 風花(ひめざと ふうか)は現場に向かう。

「こんな街中に堂々と現れやがって・・・青依!獣魔はオレが引き受ける!青依は悪魔を頼む!」

「わかった。」

「風花は無理しない程度にこっちを手伝ってくれ!」

「OK!任せて!」

 青依が悪魔を獣魔から引き離す。


転移(teleport)


「俺様は熊の悪魔、アシラ!お前が魔法使いだな!人攫いの邪魔をするな!」

「また頭の悪そうな悪魔ね。」

「何だと!!!貴様!このアシラを侮辱するか!!!」

「プライドが高いのか。煽れば行けるかな?・・・」

 そう小声で呟くと、

「貴様はマスターから殺して良いと言われている!死ねぇぇぇぇ!!!」

 アシラは青依に突っ込んで来る。

「速い!」

 アシラの爪が青依の左胸を貫く。普通の人間なら間違い無く致命傷だ。

「ぐっ!」

 爪が刺さった箇所から青依の体がひび割れる。

「痛い。それに、このひび割れ・・・」

「マスターが俺になんかよくわからん魔術をしてたな!その恩恵か?」

「神性特攻付与・・・面倒だね。」

 剣を構築し、突き刺さったアシラの右手首を切り落とす。

「ぐわ!ぐあああああああああああああああああ!!!」

「痛い?」

「ああっ、ああああああ!!!」

 右手首を押さえながら、アシラはのたうち回る。

「痛めつける趣味は無いから、すぐ楽にしてあげる。」

「覚えてろ、魔法使い!この借りは次で必ず返す!」


「大丈夫、次なんて無いよ・・・・・」


 逃げるアシラの心臓部剣でを突き刺す。



 獣魔を倒した優汰と風花が合流する。

「大丈夫?それ。」

 風花が青依の胸のひび割れを指摘する。

「神性特攻の攻撃を喰らっただけ。普段より再生に時間がかかるけどちゃんと治るから大丈夫。」

周期機構(システム)使えないの?」

 以前、蓮人の獣魔との戦闘で同じような攻撃を受けた際、青依は第五魔法Resurrectionと即死魔術を繰り返す、周期機構でその傷を治していた。

「この間、極短時間とはいえイギリスで使ったばかりだからね。いくら契約で抑止力の膨大な魔力で肩代わりして貰っててもそう易々と使えるものじゃ無い。本来、魔力能力高めのホムンクルス数百体で賄ってた魔力量だし、流石の抑止力でも持って45秒ぐらい。その時間を使い切ったら抑止力の魔力が回復するのを待たなきゃ。だから、いざって時のために取っておかなきゃ。」

「まあ確かに抑止力にも、青依の周期機構以外にも魔力を使わないといけない用事があるだろうしね。」

 青依の説明に納得したように優汰が言う。

「とりあえず、戻って調べ物の続きをやろう。」

「そうだね!」

 優汰の言葉に風花が賛成して、三人は帰る。




 帰宅して、風花は青依に正嗣の書斎を漁りながら質問する。

「ねえ、前から気になってたけど『死者の国』って何なの?青依さんが周期機構の魔力を肩代わりしてもらってるのも死者の国の管理者だから何でしょ?」

 風花の質問に青依は答える。

「風花にわかりやすい名前だと、地獄とか冥界、死後の世界かな。」

「地獄・・・」

「そう。死者の国は現世(この世界)を漂う死者の魂の終着点。現代だと現世とは別の位相にあるから地面を掘っても行けない。」

「神話の時代には、地面を掘るとそのまま冥界に行けたってされてる神話もあるから時代や地域によっては現世と同じ位相にあったかも知れないって考えられてるんだ。」

 優汰が青依の説明に補足する。

「死者の国は死者の魂の罪を償わせ、魂の情報を漂白し、転生させる。そう言う場所。」

「わあ、確かに地獄みたい。」

「死者の国の管理者は、主に死者の魂達の償いの監視が仕事。昔はハデスやエレシュキガル、アヌビスみたいな神様がやってたことを代わりにやってるだけよ。」

「そうなんですね。」

 青依が風花に説明しているうちに、何かを見つける。

「青依、これ・・・」

「自殺偽装とその後の第二工房兼潜伏先の場所候補・・・」

「候補が四つ書いてある。」

 青依に見せた日記を風花が覗き見る。

「私と青依さんと優汰、それに萱瀬(かやせ)を含めて四人、それぞれ手分けして探す?」

「ダメだ。青依はともかく僕、萱瀬、風花は戦闘になったら父さんに勝てないし、最悪殺される。しらみ潰しにやるしかない。」




 優汰、青依、風花、萱瀬 蓮人(れんと)は候補場所を一つづつ捜索し、いよいよ最後の候補場所に訪れる。

「ここにいなかったらどうする?」

 風花がみんなに尋ねる。

「その心配には及ばない。ここは私のアジトで間違いないからね。」

 四人の背後にローブの男、正嗣が立っている。

「わっ!びっくりした!」

 驚く二人、動じない青依、そして・・・

「父、さん・・・父さん!今まで何処にいたんだ・・・なんで自殺したフリなんてしたんだ!なんで今まで僕と姉さんをほったらかしにしたんだ!」

 優汰は今までの溜め込んだ思いを吐き出している。

「四年、四年だ!四年も()()と姉さんはたった二人だけで暮らした!あの無駄にデカい家でたった二人で!父さんが居なくなったら、母さんが元の仕事に戻るしか無いってわかってた筈だ!なんで!なんで・・・生きてることを教えてくれなかったんだ・・・」

 目に涙を溜めながら優汰は思いを父にぶつける。

「確かに、人格が切り替わっているな?一人称も『僕』から『オレ』に変化している・・・まったく、あれほど上手く行かなかったのに、別の計画にシフトしてから、とは・・・」

「何言ってるんだ、父さん?」

「お前に、言っておかなければならないことがある。」

 正嗣は真っ直ぐ優汰を見据えて話し始める。


「お前がなぜ、被虐体質ではなく挑発の魔眼を持っているのか、そしてなぜそれを認識できないのか、なぜ今お前の一人称が変化しているのか、何故獣魔を何の躊躇いも無く殺せるのか、」


「まさか!」

青依がその答えに辿り着く。

「その答えはただ一つ・・・」


「お前が『伊賀崎優汰』では無いからだ。」

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