2,目覚め
こんにちわ!!
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―――side???―――
…ん?
寒い…。
それに息も苦しい。
なんだろう?私は二度寝をしたい気持ちに後ろ髪を引かれながら重たい眠気眼をゆっくり開ける。しかし焦点が合わない。目の前がぼやけてよく見えない。意識も朦朧としている。頭が痛い。
ここは…。水の中?
私は今、どうやら水の中にいる様だ。緑の液体が視界を埋め尽くす。
んん?水の中?
み・ず・の・な・か?
そして徐々に意識が覚醒する。意思の覚醒と共に状況を理解する。
水の中だ?!?!~~~~ッ!!
「~~~~~!?」
意識が覚醒する。急いで液面を、空気を求め。起き上がる。ここが浅くてよかった。液面を派手な水の音と共に掻き乱すが、それどころでは無い。肺に入った液体を吐き出す。激しく咳き込むがなかなか吐き出せない。その後も、なんとか荒い呼吸を整えようと試みるが整わない。その後、しばらくしてやっと呼吸が整い落ち着いて来た。だが未だに肺が痛いし苦しい…生きているのが奇跡だ。死ぬかと思った。
「ゴホッゴホッ!ゲホッゲホッ!はぁはぁ……すぅーふぅーすぅーはぁー。」
私は、呼吸を整えキョロキョロと周囲を見渡す。私の呼吸と水音が聞こえるのみで辺りを静寂が支配している。
「こ、ここは…?」
どうやらどこかの施設のようだ。人は愚か、生物の気配すら感じれない。人が居なくなってい久しい様で、あちこち埃を被り、蔦が生い茂り、静かに荒廃している。
「なに…ここ?」
さらに辺りを見渡せば何かの端末があるがそれ以外は特に目立ったモノは見当たらない。いや…なにかの布かな?どうやら誰かの服がある。発光性の植物が周囲を照らしているから薄暗いが暗闇ではない。
私は、改めて現状の確認を行う。今は施設中央に設置された、発光している液体で満たされた泉の中にいる。さらに自身が浸かっている液体を見下ろす。薄く発光している…。高い粘土持った緑色の液体だ。ヌメヌメしていて、どう見ても普通じゃない。
「髪が体に張り付いて気持ち悪い。」
私は腰まで伸びた自身の銀色と金色の髪が気持ち悪くて仕方ない。覚醒したてで頭が回らないが、ぼんやりとだが状況が呑み込めてきた。しかし、落ち着くことで私の中で疑問が生まれた。
「私は確か…」
私はここが何処なのか。何故ここに居るのか。思い出そうとするが、記憶に霞がかかったみたいで、何かが思考の端に引っかかるが思い出せない。チラチラとした記憶の断片がウザったい。私は思い出そうと思考の海に潜ろうとして…
―ズキンッ―
「グッ!あ、頭が痛い…頭が割れそう…そ、そうだ…誰かと…だめだ思い出せない…でも…そうだ。何か、大切な何かを…あれ?…夢…?いや、違う。確か誰かと会話をしていた!…気がする…。でも、誰と?」
―ズキンッー
「ガア˝ァッ!!グゥゥ…」
ず、頭痛が。頭がズキズキと痛み、今まで気にならなったのか不思議なくらいだ。思い出そうとするとより酷くなる。
「…そうだ、私は夢の中で誰かと話をしてた…けど内容が思い出せない。なんで?」
なんとなくだけど…とても大切な話をしていた気がする…しかし頭の強烈な痛みで頭の中はグチャグチャだ。思考が纏まらない。痛みに思わず蹲っていしまった。
「ダメ!死んじゃう。これ以上は無理!」
しばらく蹲っていると頭痛が落ち着いて来た。まだ少し痛むがこれなら動ける。気持ちを切り替えよう。
「はぁはぁ…ここは…何処?この液体は一体…ックシュン!」
私はここで始めて自分が裸である事に気づいた。
「さ、寒い…。早くここから出よう。」
ここから出たくて立ち上がり歩き出す。私が歩いている泉は自然物ではない。ツルツルしていて歩きにくいし、体に纏わり付く液体が歩きにくさを助長してる。
「最悪。気持ち悪い…。吐きそう。」
今は少しでも気分を紛らわせたい。気を紛らわせる為、歩きながら周囲を見渡す。先ほど気になった発光植物を観察する。これは…茸と苔?発光して周囲を幻想的に照らしている。先ほどまで余裕が無かったが、改めて周囲を見渡す。淡い緑と水色の光で、幻想的だ。
「やっと出られた。意外とこの泉大きい。」
やっとの思いで泉から出ると端末に掛けられていたぼろ布を羽織る。
「さてと、ごめんね。この服ちょっと借りるね。」
そう言って私は服を拝借した。
「はぁ~落ち着く。これは白衣だったのかな…?丈が長いし体が隠れて嬉しい。正直誰もいなくても恥ずかしかったんだよね。」
―――グチャ…。―――
「あ、しまった。しっかり体を拭けばよかった。ヌルヌルする気持ち悪い…最悪…。」
しかし、体を拭かずに羽織ってしまった為、衣服が体に張り付いて気持ち悪い。しかも髪が服と体にペタリと張り付いてしまった。ほんの少しの後悔に苛まれながら、私は服を着た後この殺風景な部屋にある唯一目を引く端末に目を向けた。何かの機械みたいだけどよくわからない。私が寝ていた設備を管理していたのかもしれない。
「これは何だろう…?」
私はペタペタと機械端末を触ってみる。もしかしたら壊れているかも知れないが念のため触ってみる。
―――ッピカ―――
「うわぁ!え?何?」
まだ端末は生きていたようだ。私の視界が光に包まれる。思わず目を窄めてしまう。
―――ピコン―――
「な、なにこれ?」
その後端末の上、いきなり半透明文字盤が空中投影された。私は恐る恐る文字盤を除きこむ。意味不明な文字の羅列だが不思議と読めた。
≪対象のスキャン結果を表示します。≫
===ステータス===
名称:フィア・&%#$&%%
種族:鬼人科・殺人貴属・殺戮感応種/魔人科・魔人属・指定禁忌種
階位:1
能力
生命力 :10
体力 :10
筋力 : 5
技量 :20
速さ :20
魔力 :25
耐久 : 5
運 : 5
魔法適正:収束率:75% 拡散率:25%
属性適正:炎:30 水:5 風:5 土:5 光(闇):7 氷:30 雷:30 溶岩:1 磁力:1 植物:1 重力:5 時空間:30 混沌:5
指向適正:攻撃:50% 防御:5% 回復:5% 補助:5% 妨害5% 付与10% 操作:10% 特殊10%
習得武技:――
習得魔技:――
覚醒回数:0回
覚醒補正率:D
種族スキル:空虚なる終焉・最期の審判・殺戮の饗宴・禁忌の導
所持スキル:暴走
===========
私は目の前に表示されている文字を読み込む。そして私は目の前に表示に絶句した。私は今まで気にしていなかったけど、そうだ私は今まで自分の名前を知らなかった。知らない事に疑問を持っていなかった。改めて自分の名前を見る…。とても感慨深く不思議と心が温かくなった。
「隣の文字が塗りつぶされているのは気になるけど…。フィア。これが私の名前。そう…私は…私の名前はフィアって言うんだ。」
少しの間次に私は種族項目に目を向ける。どうやら私は…なんだこれ?魔族はわかるが殺戮感応種?指定禁忌種?字面が物騒過ぎて不安になる…。
「な、なにこれ。」
私は狼狽えてしまい意図せず文字盤の文字に触てしまった。
―――ピコン―――
===解説===
―――種族説明―――
人目 :高い知能と理性を持ち合わせた生物部類種目。
鬼人科:近接戦闘に秀でた種族。鬼の系譜を継ぎ他の系譜から修羅に落ちた者たち。
習得スキル:空虚なる終焉
殺人貴属・殺戮感応種
説明:吸血貴属の特殊変異種。変異したせいで属目が変わってしまった珍しい事例。種の特性を軒並み失った代わりに、血の狂信を手にいれた新たな種族。…目に付くあらゆる生物の悉くを殺し尽くす残虐な種族。初めから生まれる事を望まれなかった同属にすら忌み嫌われた怪物。
取得スキル:殺戮の饗宴
魔人科:高速近接戦と遠距離魔法戦が得意な種族。強力無比な魔力を内包する者たち。
習得スキル:最期の審判
魔人属・指定禁忌種
説明:禁忌に触れた魔人属が変異した希少変異種。種の特性を失う罰を背負う代わりに、更なる狂暴性を手にいれた種族。…彼等は種の進化に歓喜した。だが世界は、この種を認めなかった。
習得スキル:空虚なる終焉
―――スキル説明―――
空虚なる終焉:常時HPが若干回復し、強靭を得る。攻撃行動時にHPを消費して与ダメージが大幅に上昇する。さらに生命力が減少すると全てのステータスが極端に上昇する。
最期の審判:MPを連続消費して大幅に魔法の威力と規模が上昇するチャージ行動が出来るようになる。
殺戮の饗宴:一定の戦闘内で命を殺せば殺す程に際限なくステータスが強化される。また連続殺傷数が増えれば増える程に覚醒する可能性が上がるが一定数を超えると暴走状態なる。戦闘終了後能力の上昇と暴走状態は解除される。
禁忌の導:単一の継続戦闘時間が長くなれば成る程に際限なくステータスが強化される。また戦闘時間が長引けば長引く程に覚醒する可能性が高くなるが同時に暴走状態になる可能性が高くなる。戦闘終了後能力の上昇と暴走状態は解除される。
暴走:正気を失う代わりに攻撃力が上昇し、スタミナが急激に回復する。
===========
詳細な情報が表示された。内容を確認するとどうやら私はかなり危険な種族みたいだ。そしてなんだか仰々しい。私は続けて画面を適当に操作する。テキトーな操作をしていると、端末から煙が出て、この端末からディスプレイのみ取り外すせた。この端末は対象物を調べる力があるようなの周囲を鑑定してみる。
―ピコン―
≪壊れかけの原始精製炉:超高レベルの錬成に必要な炉。古代文明の遺跡。地脈を利用する仕様で人力での稼働は不可能に近い、半壊していて錬成には修理が必要だが、直すことは現在の技術では絶望的である。…太古の人間達は夢を見た。だがそれは許されざる夢だった。やがて人々はそれを禁忌の術と忌み嫌った。≫
鑑定を行うと私の前に半透明は薄板が表示され内容が記載された。触る事は出来ない。少し驚いたけど、それよりも鑑定内容。最後の説明が物騒過ぎる。その中に寝ていた私は、もしかしたらヤバい存在なのかもしれない…。このことは墓場まで持っていこう。私は人知れず心にそう誓った。と言うか知りたいのは、この泉その物じゃない。この粘ついた液体が何なのか知りたいのだ。
この機械使えないんじゃ…心の中で、そう一人愚痴を言いながら端末を近づけもう一度調べる。
―ピコンー
≪劣化したオルレーミの朝露:古代錬金術師であるオルレーミが製作した安定剤入りの保存液。特殊な安定剤により、本来劣化することはない筈だが腐りかけている。腐りかけてはいるが飲めなくは無い。あらゆる傷や万病を癒す力があると言うエリクサーが使用されている。が、本来の力には遠く及ばず生命力と魔力を癒す力が僅かながらに残っているのみだ。
追記:…この液体、小瓶一つでいったい幾らすると思っているんだ。今回もクライアントどもの頭はどうやらおかしいみたいだ。byオルレーミ≫
≪オルレーミ製の特殊安定剤:精製には賢者の石と不死鳥の涙を主成分とした特殊配合錬成が行われている。どちらも死を拒絶する力があるが、錬成により効果が変質しており、その力は失われている。配合後さらに変異している為、抽出しての再利用は不可能。
追記:…あ~あ勿体ないなぁ。一体この賢者の石と不死鳥の涙でどれだけの人の命が救われることやら…byオルレーミ≫
なにやらよくわからないがすごい液体だったようだ。最後の一文も気になるが、しかし…
「この液体腐ってんじゃん!!!ちょ!最悪!」
無駄だとわかっていても、つい吐き出してしまう。最悪の気分だ。今まで気にならっなかったが、知った後だと意識してしまうから不思議だ。
「!あークソ!本当に最悪だよ!!~~~ッゥ~~!!!ってああ!!しまった!!」
私は胃の中の液体を吐き出そうとして誤って端末を泉の中に落としてしまった。
「やっちゃった。えぇ…取り出さないとダメかな…?手をこの中に入れたくないんだけど…。」
しばらく右往左往していが意を決して私は液体の中に手を入れる。すぐに端末は見つけたが泉に変化が訪れる。
「えぇ?!なになにどうしたの??」
みるみるうちに泉の中の液体が端末に吸収されていく。そして泉の中の液体がすべて吸収される。
―ピコン―
【劣化したオルレーミの朝露を保存しました。】
画面に表示された言葉を信じるのならどうやらこの端末に泉の中の液体が収納されたらしい。
試しに今度は放出すると泉が液体で満たされる。また収納すると見る見るうちに炉の中から液体が減って行き。私の手に吸い込まれて行く。完全に炉の中の液体が無くなり底が見える様になった。改めて泉の底を観察する。陶器の様な見た目をしている所を見ると、やはり人工物なのだと実感させられた。
ついでに私の体についているオルレーミの朝露も回収出来ないか試してみた。
―ピコン―
【劣化したオルレーミの朝露を保存しました。】
すると問題無くオルレーミの朝露は収納され、体のベタつきと服の張り付きがなくなって、体はさっぱりして、服は乾燥した。
私はこの端末の力を確認する為近場にある植物を手当たり次第に収納をしてみる。
この茸と苔を採取する為に、私は移動し、そしてまた画面を操作する…。
「あ、この植物はなんて言うのかな…?」
―ピコン―
≪魔力茸(青白)と魔力苔(青緑)を収納しました。≫
どうやら私の知識の無いアイテムは自動で鑑定してくれるらしい。かなり便利だ。私は続きを表示した。
―ピコン―
≪魔力茸(青白):魔力場所で自生する茸。成長時に吸収した魔力の濃度が高いと発光し、発光色と強さが変わる。青白の魔力茸は保有魔力が高く、極めて希少。幅広い用途で使用できる。≫
≪魔力苔(青緑):魔力場所で自生する苔。成長時に吸収した魔力の濃度が高いと発光し、発光色と強さが変わる。青緑色の魔力苔は保有魔力がそこそこ高く、それなりに希少。一部錬金術で使用される。≫
なるほど希少な植物らしい。魔力云々は良くわからないが、先ほどの鑑定でも見かけた。だから何かしらの影響でもあるのだろう…。
目覚めてからずっと感情が右往左往して疲れた。そろそろ、ここに居るのも飽きて来たし、出口を探そう。外か…さてさてどんな所だろうか。
「…外に出たいな。出口は…?ああ、あった。多分あれだ。」
暗闇で見え辛いが扉を見つけた。
「出口は…っと…ああ、あれだ…。」
扉の前に移動したがドアノブが無い。押しても引いても、錆びているのか、びくともしない。中々頑丈な扉だ。途中からガンガンと扉を叩くが、やはりウンともスンとも言わない。
(…このままだと、この部屋から出られなくて餓死しちゃうかも。)
そんな、馬鹿なことを考えながら、このありえなさ過ぎる状態に、私は一周回って面白くなってきた。私はニヒルに笑い片足立ちになる。振り上げた足を引き絞り全力の蹴りを叩きこむ。
しかし扉は開かずビクともしない。私は、その勢いそのまま、蹴った足を地面つけて軸足し、反対の足で連続で回し蹴りを叩きこむ。
「らぁ!!!開けぇ~~!!!」
”ぎぃ”と言う鈍い音と共に扉が外れる。どうやら横に動く扉だった様だ。
「あ~あ。横に開くタイプだったのか。」
私はズレた扉に体を捻じ込み脱出する。
扉の先には、苔と茸と蔦に侵食された物置台と奥ある上り階段があるだけだった…。
いや…階段かあれ?
湿気と苔に侵食され崩れた階段は、ぱっと見階段だと判別できないくらいに崩れている。
じめじめしているのは泉の原因だと思っていたが、ここはもしかしたら地下なのかもしれない。周囲を見回しながら他に何かないか探す。
しかし何も見つからず、仕方なく中央の物置台に何かないか探す…。
「ここには何もないか…?あれ?」
よく見ると物置台に何かある。細長い…なにかな?気になった私は絡まる蔦を引きちぎり、それを手繰り寄せる。
「綺麗…これは剣かな?うん…すごく軽いけど…たぶん剣だ。」
刃の部分と柄が黒い白亜の双剣だ。唾と刀身が一体化した飾りのないシンプルな剣だけど、左右別々に掘られた刀身の文様が美しさを引き立て一種の神秘性がある。
この2本の双剣に、ただただ無言で見惚れてしまう。
「これは…。あ!そうだ!鑑定してみよう。」
―――ピコン―――
名称:姫守の双翼剣
攻撃力:B-
魔法付与効効率:A+
必要能力値
力:5
補正値
力:D-、技量:B-、魔力:B+
付与能力
自動修復(A+)、切れ味強化(A-)、軽量化(B+)
―――解説―――
《姫守の双翼剣:太古の刀匠グレオニーと太古の錬金術師オルレーミが作り上げた羽のように軽い刀剣。芯柄に強化カーボン、刀身に白魔晶鉱、刃先に劣化ウランコーティングを施した、当時の技術の粋を集めて作られた翼剣。完成した剣にグレオニーとオルレーミが共同で彫刻を施してある。…それは娘に送る最初で最後の贈り物、どうか娘を守って欲しい…叶わぬ願いを剣に託して。
追記1:…がははは!俺の全てを詰め込んだ!文句は言わせねぇ!byグレオニー
追記2:…もう二度と、あいつらの仕事は受けない!!!絶対!絶対にだ!!!byオルレーミ≫
「この剣……。」
自身が手に取った剣の能力に圧倒され絶句してしまう。鑑定の文面から誰かに宛てた剣の様に感じる。ここで私に宛てた剣だと思うのは自意識過剰かな?でもこの先で何があるかわからない。申し訳ないけど貰っていこう。
「私が持って行っていいのかわからないけど、グレオニーさんとオルレーミさん、この剣貰っていくね。はは…グレオニーさんとオルレーミさんってどんな人だったのかな?会ってみたかったなぁ。」
私は鑑定の文章から覗き見る、過去の偉人に思い馳せ、剣を腰に穿く。
それから私は崩れかけた階段を上った。しばらく階段を昇り続けると行き止まりに辿りつく。階段の先は行き止まりの小さな踊り場と趣向が凝らされ壁の様な大きな扉があった。
扉に天井のステンドグラスから優しい光が降り注ぎ照らし出された女性は美しいく、この空間はどこまでも幻想的だった。
あぁ…出口だ…。直感的にそう思った。私は手を扉にかけて、ゆっくりと力をいれる。今度はちゃんと横にも力を入れたがビクともしなかった。
そして私は、”またか”と笑い体を引き絞り足を振り上げる。
―――sideフィリア end―――
最後まで読んでくれてありがとう!!