1話
2XXX年、突如として不思議な力が発見される!
そして、その力を制御する機器が開発される!
これは、その機器が初めて、試験的に導入された学園での物語である!
「…起きて…。」
ピピピピッ!ピピピピッ!
目覚ましのアラームがけたたましく鳴る。
「起きて!あーちゃん!遅刻しちゃうよ!」
ピピピピッ!ピピピピッ!
「…うるさい…。」
尚も鳴り続けるアラームを止め、体を起こす。
「…眠ぃ…。」
ようやく眠れたかと思えば、もう朝が来たのか…。
「…今日は、夢を見なかっただけマシか。」
とは言え、目覚めは最悪だったが。
「…諦めて準備するか…。」
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ピッ。
私立月皇学院。
その校門は駅の改札のようになっており、手首に付けた”腕輪”をかざす事で通れる。
もちろん、ただの腕輪ではない。
世界の技術の結晶だとか、人類の叡智だとか言われている。
詳しい構造は分からないし、興味も無いが、とてもありがたい代物だ。
なぜなら、コレのおかげで、俺たちは学生を続けられているからだ。
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「よっ! 晶!」
いつものように、教室の自分の机で寝ていたところ、背中を叩かれる。
「…。」
軽い調子の男の声に、ガサツな行動。
…同じクラスの酒々井景二だ。
眠いので無視してみる。
「ちょ、ノリ悪ぃなぁおい。…まぁいつもだけど。」
じゃあなんでいつも声掛けてくるんだ?
純粋な疑問も、面倒なので放棄する。
「オッス!アヤちゃーん!」
景二が別の人間に声を掛ける。
「…朝からうっさ。」
「アヤちゃんも冷たー!」
「…『も』って何よ。」
アヤ…鶴城綾、だったか。
「晶よ、晶。俺たちもー友達だろー?無視すんなってー!」
いつから友達になった。
「…勝手に仲間にしないでくれる?」
「だってクラスで俺たちだけじゃん!」
チッ、やっぱりそれで同類扱いか。
「初日のチェックで、能力使えなかったの!」