題『結婚』
二人「はい、どうも~!」
ボケ「いやあどうもねえ、皆さん今日は遠いところからわざわざ足をお運びいただいて、ホントありがたいことですね~」
ツッコミ「ホントですね~」
ボケ「まー、それこそ北は北海道、南はバンダルスリブガワンまで、いろんなところからお越しいただいてねえ」
ツッコミ「あー……うん、ブルネイの首都だねえ、バンダルスリブガワン。場所を確認するのに世界地図が欲しくなりますが……いやまあ、そんなところからも来てくださってる方がいないとも言い切れませんけどもねえ」
ボケ「そんなことですんでね、なんだか僕、最近どうも結婚したくてねえ」
ツッコミ「またえらく急にベタな話題へ飛ぶねえ。ああ、ブルネイの首都については引っ張らないんだねえ。うん、なるほど」
ボケ「そう、もう僕ももうそろそろいい歳なんでねえ、結婚したいんですよ」
ツッコミ「まあねえ、結婚。確かにしたくなる頃合いとかってありますからねえ」
ボケ「それこそもうね、女房を質に入れてでもしたいと思ってますよ今、結婚」
ツッコミ「いやいや! 君まだ結婚してないんでしょ!? 質に入れようにも、そもそもその質に入れる女房、奥さんがいないでしょ!!」
ボケ「え? いや、嫁ならもういますけど?」
ツッコミ「あ?」
ボケ「だから、僕、もう嫁ならいますんで」
ツッコミ「はあ!? じゃ、もう結婚してるんじゃん! 結婚したいも何ももう、結婚しちゃってるじゃん!!」
ボケ「ええ、だからもしこれから結婚するとなると重婚になっちゃうっていうのだけが悩みのタネなんですけどね」
ツッコミ「いや、悩んでる場合じゃなくてそれ、普通に法律違反だから! 結婚て重ねて二回とかできないからっ! せめていっぺん今の奥さんと離婚してから改めてもう一度っていうなら分かるけどもっ!!」
ボケ「え? じゃあまず離婚してからだから、元・女房を質に入れて……」
ツッコミ「だからなんでそう頑なに自分の奥さん質に入れたがるの! それ、物の例えなんだから別に本気でやらなくったっていいんだよっ!!」
ボケ「いや何も無理にしたいってわけじゃなくてほら、急にまた結婚するとなっても僕もそれほどお金に余裕も無いし、だったら今の嫁を質に入れて、そのお金を結婚資金に充てればいいかなと……」
ツッコミ「お前、人として最低だなおいっっ!!」
ボケ「だから今日はね、ちょっと結婚の予行演習をちょっとやってみたいなと」
ツッコミ「いやいや、ちょっと待って? 君、もう結婚してるんでしょ? もうすでに一回経験してるんだよね? なんでまた練習する必要があんの!?」
ボケ「そう、結婚式っていえば、あの結婚行進曲ね。あれを聞くともう一発でそういう気分になっちゃいますよね」
ツッコミ「……あーはいはい、あのメンデルスゾーンのね。あれ聞くと確かに結婚式だなあって感じにはなりますね」
ボケ「そうそう、(鼻歌で『ハッピーバースデイトゥーユー』)」
ツッコミ「違う違う! それ、誕生日のほう!!」
ボケ「え? ああ、ごめんごめん。えーと、(鼻歌で『ジングルベル』)」
ツッコミ「だから違うって! それクリスマスのやつだからっ! むしろ誕生日よりも結婚式から遠ざかっちゃってるからっ!!」
ボケ「え、でも誕生日がクリスマスな人の場合なら、あながち間違ってはいないんじゃ……」
ツッコミ「それ、誕生日だったらていう話でしょ!? 結婚どこいったのっ!!」
ボケ「ああ、ごめん間違えた。そうそう、もし結婚式がクリスマスと誕生日に重なってたら、あながち間違っては……」
ツッコミ「いや、そんな奇跡的に全部が重なるパターンそう無いでしょ! せいぜいクリスマスに結婚式するかもしれないってくらいのもんで……」
ボケ「重婚だけに?」
ツッコミ「だけに、じゃねえよ! お前ホント人としてダメだろっ!!」
ボケ「おお、でもそれはそれでなかなかロマンティックだと思わない? クリスマスに結婚式とか、素敵でしょう」
ツッコミ「うんまあ……そうね。確かにロマンティックではあるかも……」
ボケ「では、新郎新婦の入場です! (鼻歌でお正月の歌『一月一日』)」
ツッコミ「……って、今度は正月かよっ!! どんだけくっつけたいんだよイベント同士をっ!!」
ボケ「いや、だって重ねてめでたいでしょ? 重婚だけに」
ツッコミ「だけに、じゃねえよ! もういい加減にしろっ!!」
二人「どうも、ありがとうございました」