傲慢な県知事
中部地方S県知事のことである。
県庁があるS市に、連絡も行わずに、同市と県の行政を一元化するため、行政トップを1人に集約し、S市長は市担当の副知事に就くという構想を、マスコミに発表したそうである。
当該S市長は、「思いつきの域を出ない。まともに論ずるのもばかばかしい」と批判し、「柳に風で受け流すことにする」と議論にも否定的な姿勢をとっている。
そもそも、マスコミに発表する前に、事前に当該S市長に連絡するなりの配慮がなぜ、無いのだろうか。
その後、県知事とS市長との公開討論会を開いた席で、S市長に対し、「君は」などと、完全上から目線だったそうだ。
そもそも、地方自治法上で県知事と市長には、上下関係も優劣関係もないが、県知事は「県が市を指導するのだから県が上」と思っているらしい。
法律は無視しても、「自分が偉い」と言いたいようだ。
また、その県知事は、かつて「学力テストの成績下位の学校を公表する」と述べ、論議を呼んだことがある。
そもそも、S県が全国学力テストで、低い点数であったことが気に入らなかったらしい。
その知事が教育関係者出身だったので、一層立腹したのかもしれない。
そうすれば必死に教育に励むという考えらしいが、まるで見せしめである。
成績が悪い学校名が公表されると、その校長先生にも責任あるらしい。
その学校の、校長が、しっかり教育していないから、知事が恥をかいたって思っているということなのか。
公表されたら、困るのは学校だけではない。
生徒だって「ダメ学校の生徒」と思われて街を歩けない。
それに、平均点での公表であるから、「優秀な学生」も知らない人からみれば、「ダメ学校の生徒」と見られてしまうのである。
これでは、真面目に勉強に励む学生も可哀そうである。
あまりの暴論に文部科学相も苦労したとのことであった。
その後、手の平を返したかのように、上位校を県内市町教委の同意を得ずに市町別平均正答率や上位校の校長名を公表した。
S市教委の委員からは「上位校の校長名を出せば平均点以下の学校も分かる。各教委や学校の個別の事情があるのに一律に出した」と配慮不足と指摘されている。
学生の努力を「政治的パフォーマンス」に利用したとの指摘もある。
県知事の権力をカサに、思いつきでものを言う。
周りの苦労など、何ら配慮が感じられない。
こんな傲慢で無神経な県知事をもったS県民も、苦労が多いと思う。




