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イエス・キリスト?
先日、NHKのアナウンサーがイスラエル関連のニュースでベツレヘムの話の中で「イエス・キリストの生誕地」というような発言をしていた。
その内容はともかく、「イエス・キリスト」という表現は妥当なのか。
そもそもイエスは、「キリスト」という姓ではない。
「キリスト」はヘブライ語のメシアのギリシア語訳。
その「メシア」は「油を塗られて聖別された者」「救世主」の意味。
そして「イエス・キリスト」が通用するのは、あくまでもキリスト教徒だけである。
ユダヤ教、イスラム教では認めていない。(メシアは出てくるけれどイエスをメシアとは認めていない)
その他の宗教では、イエスの名前すら出てこない。
世界には様々な宗教があり、イエスを「キリスト(救世主)」と認めていない国民、民族も多い。
そういう事情を考慮せず、半ば慣用句あるいは「姓」のように「イエス・キリスト」と報道するなど、無神経の極みではないだろうか。
少なくとも「キリスト教活動に大きな影響を及ぼしたイエス」程度にとどめておくべきと思う。




