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ウィーンフィルとジャズ
最近は多少雰囲気が変わったかもしれないけれど、旧来の日本の音楽界は縦割り意識が強かった。
クラシックはクラシックだけ、ジャズはジャズだけ、ロックはロックだけ・・・
その中でも、特にクラシック関係の人は他の音楽を「軽い音楽」と見て、「格下」に見る傾向が強かった。
自分たちだけが「正当にして高貴な」音楽家であり、他の音楽は「ヤクザ」とか「ガキ」の音楽と公言するクラシック作曲者、批評家が多かったのである。
ただ、クラシック音楽の本場の一つ、ウィーンでは、現実にウィーンフィルの人(弦楽器でも管楽器でも打楽器でも)、ジャズバンドにも入ったり、ロックバンドに入ったりもするし、とにかく本当に上手である。
つまり、音楽家としての基礎がしっかりしているので、どんなスタイルの音楽も上手にこなし、楽しんでしまうのである。
ただ、その話を聞いた旧来の日本人大物クラシック音楽評論家は、なんと表現したか。
「格式あるウィーンフィル奏者が、音楽を冒涜するとは何事か!」
「クラシック音楽権威主義」ここに極まれり、少し呆れてしまった。




