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時々、感じるようなこと  作者: 舞夢
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銀貨30枚で売られた男と、その考察

その男は、銀貨30枚で売られた。

奴隷1人分の値段。

現代のお金で15万か20万。(当時の平均月収)

引き渡した男と罪に問う者たちの間で交渉が成立した。

ちなみに、売られた男は、少し前に頭に塗油された。

かなり高価な油で、銀貨300枚の価値があるらしい。

売られた男は、裏切られた、そして引き渡された。

12人いた弟子は、全て彼を見捨てた。

彼は、肉体の激しい苦痛と、孤独と、裏切りによる悲しみの中、息を引き取った。

自分が死ぬことで、少なくとも弟子を助けられると思ったのかもしれない。

本当は怖くて、ただ、殺されただけかもしれない。

その後、引き渡した男は、罪の意識に責められ、受け取った銀貨30枚を神殿に投げ入れたと言う。

結局戻された金で、罪に問う者たちは、陶器師のための土地を買った。

何のための銀貨30枚だったのか。

彼の命は、罪を問う者たちのメンツ保持のためだけの犠牲になっただけ。

その後、半世紀も持たず、罪を問う者たちの国そのものが滅ぼされ、世界中をさまようことになった。

彼の教えは曲解され、利用されるだけになった。

富は心にが、富は教会に変わった。

天国は心の中にが、天国は教会のものになった。

教会にひざまずかなければ、天国には入れなくなった。

彼は、誰でも、罪人でも招いた。

彼の教えを引き継いだはずの教会は、罪人を殺し続けた。

その罪の基準は、教会が決めた。


いったい、何のための銀貨30枚だったのか。

何のための彼の命だったのか。

何のための、彼の教えだったのか。

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