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時々、感じるようなこと  作者: 舞夢
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気高さ  源氏物語「蓬生」より

光源氏は、須磨に去る(退去)前は、常陸宮の姫君末摘花にしっかりと贈答を行い、暮らしを支えていた。

それもあって、女房達は末摘花に仕えていた。

しかし、光源氏が須磨に去り、贈答が途絶えると、末摘花はすぐに窮乏状態。

古参の女房達は、次々と屋敷を去り、由緒を持ちながらも、古い邸内は荒れ果ててしまう。

(末摘花には、出家して阿闍梨となった兄がいたが、浮世離れした人で、末摘花の窮状には、全く関心を持たない、つまり、何の役にも立たない)

常陸宮由来の家具や調度品の売却を願い出る女房もいたほどの、窮乏だ。

その上、末摘花の亡き母君の妹は、自分が受領の妻となり、大宰府に下る際に、末摘花を自分の娘の侍女(召使)にしようと、強く迫った。

(その際に、末摘花が頼りにしていた乳母子の侍従を連れて行ってしまう等の嫌がらせまで行った)


しかし、末摘花は気高い心を捨てなかった。

安易に由緒ある家具調度品を売るなどはしない。(父常陸宮の思い出を、金などに代えたくない)

ましてや、受領の妻の子の「召使」などは、もっての外で、受け付けない。

そして、光源氏のことを、心から信じ、想い続けていた。


その思いが通じたのか、京都に戻った光源氏の再びの訪れがあり、しっかりと生活の援助を受けることになった。

(その後、二条院に迎えられた)



女性差別を問題視する発言をする女性(有名な大学教授)がいる。

その女性が、テレビ番組で、末摘花の話をふられたことがあった。

すると、「ああ、あの貧乏ブス姫?」と嘲り笑い。

その女性(有名な大学教授)こそ、「容貌差別」「財産差別」ひいては「女性差別」ではないのか。



少なくとも、末摘花の気高い精神は、持ち合わせていないように思われる。

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