森の中で道に迷った時
「ウォールデン 森の生活」は、19世紀末のアメリカの作家ソローが、森での暮らしと大自然の素晴らしさを新鮮な感覚で綴った、文学史上に輝く名著。
その中に
「僕らが真剣に、自分自身と自分の歩むべき道を見出そうとするのは、森の中で道に迷った時だ」
「すなわち、世界を見失うことによって始めて、僕らは自分が今どこにいるのかを知ろうと思い始める、この時、自分を取り囲む様々な関係の無限の広がりに、僕らは気づく」
とある。
自分の周りが全て森
どの方角に進んでいいのか、迷ってしまって、まるでわからない。
それで始めて、逆に、(しばらくは時間がかかる可能性はあるが)、本当の自分自身を取り戻し、進むべき方向を考え、「自分を取り囲む様々な関係の無限の広がり」を信じ、あるいは利用し、歩き始めるのかもしれない。
これは、「森の中で迷った時」の話とあるが、人生の中にも迷う森があり、(今、迷った生活を送っている人には、わかる感覚と思う)、その際の歩き出すための、何か大切な教えを語っていると、思う。
「結局、自分一人で生きているわけではない」
「自分を取り囲む様々な関係の無限の広がり」
「無限」には自然界の物から、人間から、何から何まで含むと思うけれど、その広がりを、素直に感じ取った時、ようやく、恐る恐るかもしれないが、自分の再出発が始まる。
そんな、言葉と受け取った。