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時々、感じるようなこと  作者: 舞夢
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ただ、小説家なるものは

川端康成氏を「名誉市民」にしようと、彼の故郷の茨木市の役人たちが、鎌倉の彼の家に訪ねた時に応えた言葉である。


「ただ、小説家なるものは、不名誉の言行をあえてするにきまっており、無道背徳の作品をあえて書くにきまっている、それがなくなれば小説家の死滅であるほどだから、いつなん時名誉市民の称号を取り消されてもよい、たいていそういう事態が生じるだろう」、と私は繰り返し強く言ったが、市の人たちは納得がゆかぬようであった。


※川端康成の随筆「美しい日本の私:夕日野」より


確かに名誉市民などの称号を得れば、当然、周囲からの監視も(下手をすれば、嫉妬、やっかみ、細かな失態への非難まで)強くなる。

これでは自由に取材(主に社会的批判の強い人々、場所)への取材などは、当然、難しくなる。

自由に取材して、正確な事実をもとに文を書かねば、小説としても深みも重みも、あったものではない、その意味で、小説も小説家も死滅するのである。



それを考えれば、「小説家だから偉い」「名誉市民だから偉い」などと言う認識は、小説を書くものにとって、蹴飛ばしたくなる程の「不要な、いらないもの」になる。


また、同書中に、川端康成氏自身が「自殺」に否定的な見解を述べた部分があるけれど、結局、川端康成氏も自殺してしまった。

(後日、その部分も考えてみたい)


結局、ノーベル賞など貰って、それが多大な負担になったのかもしれない。

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