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「つってもまず、盾かなんかが欲しいな」


「任せて!!『私たちを囲むように壁が出てくる』」


近衛の言葉で俺たちの周りに俺たちより少し高い壁が俺たちを囲った。


「まあこれで安全は確保できたけど、攻撃も出来ねえなこれじゃ」


「あ」


「大丈夫だよ〜」


「何でだ?」


「ここに居ればあっし達は何も出来ないじゃん。あっし達が何もしなければあっちだって何もしてこないでしょ〜」


「いや、あいつらは俺が何もしてないのに撃ってきたぜ」


「マジ?」


突如銃声が聞こえたが攻撃が始まったのだろう。


「近衛!!」


「何!!?」


「この壁の厚さってどのくらいだ!!?」


「何だって!!?」


「壁の厚さってどのくらいだ!!?」


「分かんない!!」


「じゃあこの壁にさらに上からもう一枚被せろ!!」


「分かった!!『もう一回り壁を被せて』」


銃弾によって壁が振動していたが、振動が小さくなったあたりもう一枚被せるのに成功したのだろう。


「はあ。何とか大丈夫………なのかな?」


「……………おいおい、待ってくれよ」


上を見ると周りにあるビルの壁をよじ登って居る奴等がいた。


「四本足みたいだが足が一本少ないから三本足か?とにかく壁をよじ登ってるところを見ると上から撃とうとしているのか?」


「じゃあ上塞がないと!!『上に壁!!』」


上に壁が出来た。

これで俺たちは完全に覆われたが唯一残念なのが周りが全く見えないという事だ。

おかげでどこからどういう攻撃がきそうなのかが全くわからない。


「どうすっか〜これ〜。暗いから何にも見えないし〜どこからどんな攻撃くるか分からないし〜」


刹那上が明るくなった。

という事は、壁が無くなったってことか。


「何してんだお前ら?」


「……………誰ですか?」


「おお、紹介が遅れたな。俺は今己翔(いまきしょう)だ。お前らは?」


「っ!!危ないですよ!!外にいっぱい銃を持ったロボットが!!」


「ああ、終わったよ」


「え?」


「まあ出てこいよ。ひとまずさ」


俺たちは彼に手を引っ張られ一人ずつ外に出た。

あれだけいたロボット達は全て残らず鉄屑となっていた。


「…………転生者ですか?」


「ああ。俺は転生者だよ」


「お前ら構えろ」


「待て待て、戦う気はねえよ。勘弁してくれ。疲れるんだから」


「……………」


「分かった分かった。何すればいい?」


「助けてもらった事は感謝してる。だが、あんたら転生者を封印するのが俺たちの目的だ」


「待てよ、やりたくないんだってば。なんかするから見逃してよ」


「…………じゃあ「あははは!!」何だ!!?」


俺達と彼の間にものすごい速度で何かが落ちてきた。


「おいおい、何だ何だ?…………おお泰晴」


「よお、翔。いやあ、疲れるわ」


落ちてきたのは人間だった。

目の前で二人が話しているのを見ると知り合いか。


「少し戦ったらこれでもんな。あの野郎全力でやってきやがった。燃えるわ」


彼はそう言って上を指差す。

指された方へ顔を向けるとそこには神獣を使っている状態の一輝が宙に浮いて、指を指している彼を睨んでいた。


「一輝…………」


「あら?お仲間?初めまして、俺は八瀬泰晴(やせたいせい)。翔と同じ転生者で〜す」


「お前何したんだよ」


「ちょっと遊ぼうとしたらこれだよ」


「名前がよお、梶田一輝って言うんだってさ」


「!!…………天は俺らに味方してくれてるのかね」


何の話だ。

一輝が何か関係があるのか?


「ねえ、亮くん」


「どうした近衛」


「あれ」


近衛が指を指す方を向くとまたかという感情が湧き上がる。

またしてもロボが俺たちに近づいて来ている。


「おいおい、あいつ本気で殺しにきてるな」


「戦力を削るいいチャンスだ。そういえば翔、陽介どうした?」


「眠らせてきた」


「みんな!!」


一輝が降りて来て俺たちの所に来た。


「大丈夫かみんな?」


「ああ。何とかな」


「うん!!大丈夫だよ!!」


「あっしも大丈夫だよ〜」


「良かった。あれは何なんだ?」


「分かんねえ。ただ俺らを殺そうとしてるって事はわかる」


「…………あれって全部人か?」


「いや、全部機械だ。ロボットだよ」


「ならいいな。全部ぶっ壊す」


携帯の着信音らしきものが聞こえる。


「何だ?」


「俺だわ」


「お前かよ翔」


彼は携帯らしきものをポケットから取り出し話し始めた。聞こえてくる彼の言葉は全く聞いたことがない言葉だったことからおそらくこの世界の言葉を話しているのだろう。

暫く話していた彼はいきなり持っていたそれを手で握りつぶした。


「どうした?」


「あの野郎!!大型入れてきやがった!!」


「マジかよ!!被害は!!?」


「こっちは全体の四割が戦闘不可。更にその半分が瀕死だ」


「っ!!俺が行く!!」


「任せた、泰晴」


「何があったんですか?」


「……………君達、誰か傷を治せる奴はいないか?」


「あっしできるよ〜」


「多治見!!言わなくていいだろ!!」


「いいんだよ。それに今はこれで恩を売っておくのもいいと思うんだ〜」


「俺と来てくれ。兵士を救う」


「分かった〜」


「おい」


「何だ?俺は今わりと珍しく本気で怒っているんだ。出来る限り意味のある質問を頼む」


「あんたらに多治見一人を預けるのは不安だ。亮を一緒に連れてけ」


「何で俺なんだ?」


「分かった。二人を連れて行けば文句はねえんだな?」


「ああ」


「じゃあ二人を借りるぞ」


いつの間にか俺と多治見は先程いた場所とは全然違う所に居た。









「ごめんな近衛、お前だけ残しちまって」


「いいよ!!大丈夫!!」


「俺とお前だけであの数を相手にする。いけると思うか?」


「私も神獣?使ってみるよ!!あ、でも見ないでね」


「じゃあお前俺に背中向けてくれ。そして俺はお前に背中を向ける。そしたら大丈夫だろ?」


「うん」


少し経って、俺の肩が叩かれ、後ろを振り向く。近衛が右手に銃を持って立っていた。


「剣以外もできるのか」


「私、こう見えてもサバゲーやってたから、剣より銃なんだ!!」


「弾はどうすんだよ」


「それで私の力で出せばいいんだよ。『マガジン、出ろ』」


彼女の左手にはマガジンが現れた。

慣れた手つきで彼女はそれを神獣で作った銃に装填する。


「撃てるのか?」


「分かんない。でも、頑張るよ。来るよ!!」


「っ!!」


近衛はいきなりしゃがんで撃ち始めた。

何体かに当たったようで倒れる音が聞こえる。


「俺も頑張るわ」


生やした手で、掴めるだけ人型を掴む。


「潰れろ」


手で掴んだ奴らを握りつぶす。


「撃ってきた!!」


『止まれ』


飛んで来る弾丸全てがその場で動きを止めた。


「すご!!」


『落ちろ』


弾丸が音をたててその場に落ちる。


「これなら二人で大丈夫だね!!」


近衛は軽快な足取りで次々と人型を撃って仕留めていく。


「一輝くん!!」


「何だ!!?」


「こいつらリロード遅いからその隙を突けば結構いい感じだよ!!」


「お前もリロードあるだろ!!」


「カバーよろしく!!」


「分かったよ!!」


ひたすら攻撃をする。

背中の手で握りつぶし、切りつけ、魔法で爆破し、燃やし、吹き飛ばす。

撃たれる弾丸を常に止め、落とし、近衛のカバーをする。しかし、いくらやってもキリがない。

無限のごとく湧いて出てくるうえ、更に少しずつリロードをしている奴が少なくなってきた。


「近衛!!」


「何これ!!?」


「耳に付けろ!!」


すれ違いざまに近衛に渡した物。

通信機の様なものだが俺が作ったわけではない。

多治見と近衛が少しダウンした時に亮と外をうろついた際にたまたま会った絵里さんに会ってもらったものだ。

何でも銃声の中でもはっきり聞こえる優れものらしい。


「聞こえるか!!?」


「うん!!」


「俺と距離を開けない様にしてくれ!!」


「どうして!!?」


「リロードする奴が減ってきた!!これから隙ができにくくなるはずだ!!あんまり遠くに行かれるとカバーが間に合わなくなる!!」


「分かった!!」


段々とリロードする隙が減ってきた理由が分かってきた。おそらく銃を撃っているあいつらの後ろに居る奴等がリロードしなくて済む様にでかいマガジンを事前に用意していたのだろう。

そして俺達の力を把握したうえで使うことを決めたわけか。


「近衛!!」


「何!!?」


「お前の力であのビルあいつらの頭上に落とせ!!」


「出来るかわからな!!?」


近衛が急に立ち止まりその場で倒れた。


「近衛!!」


『近衛の周りに集まり壁となれ』


慌てて俺たちで破壊したロボット達の残骸を近衛の周りに集め、固めて即席の壁を作った。


「上にもかよ!!」


俺達がこいつらを相手して居る間に別の個体が上に登ってたのか。


「避難だ!!」


近衛を囲った壁の中に自分も入り、上を覆った。


「大丈夫か?」


「……ごめん。なんか急に、動けなくなっちゃって」


「気にすんな。ただ、あまり長居は出来ないぜ」


残骸をできる限り高密度で固めたがこの弾幕の中できっと長くはもたないだろう。


「一輝くん……」


「どうした?」


「どうしよう。手足が動かない」


「………おいおい、何が起きてんだ?」


『やはりな』


ディリア。どういうことか説明してくれ。


『初めて使った時ある程度使うと力に身体が負ける』


身体が負けるの意味の説明を頼む。


『身体が負けるという事は、まあ、力の負荷に身体が耐えきれなくなるという事だ』


俺は普通に使えてるじゃないか。


『お前の左腕、左足、両目。これらは常に俺の力で動いている。つまりお前は生きている間ずっと神獣の負荷を受けているんだよ。一週間もあればそれなりの負荷に耐えられるぐらいにはなる。だがこいつは初めて使った。おまけに常に負荷がかかっているわけではない』


近衛は銃を掴んでは落としている。


『こいつはもう無理だ』


じゃあもう戦えないのか。


『ああ、しばらく休ませろ。そうすればまた使える様になる』


でもこの数を俺一人で相手するのはきついな。


『おそらく逃げ場はない。ここであいつらを全て破壊する以外に生存は不可能だ。死なれても困るからな』


少しづつ壁と弾丸が接触する音が変わってきた。


「やべえな。壁が薄くなってきたかも」


『そいつを手で包んで戦え』


「分かってるよ。近衛、少し動くなよ」


「え?」


背中の手で近衛を頭から足まで覆う。


「腰のあたりに横にして留めておけば大丈夫か」


『一応寝かせておいた。あと振動も全くない様にしておいたぞ』


「ありがと。さて、そろそろやばいな」


穴が開いた、頃合だろう。


『吹き飛べ』


周りの壁を全て吹き飛ばす。

真っ先に倒すべき対象は…………上にいる奴か。


『手を伸ばしてあいつらを掴め。もう少し力を出せばあいつらを叩きつけるだけで破壊出来るぐらいになる』


「分かった!!」


背中の手で上にいる奴等を全部掴む。


「力を出すってどうやるんだ!!?」


『力が強くなるとイメージしろ』


「こんな感じか?」


掴まれている奴等が少し潰れる。


『そのまま地面に叩きつけろ』


一気に全部を叩きつける。

地面に少しくぼみができ、そのくぼみの中には残骸があった。

この一連の動作をしている間にも弾幕は張られ続けていたが、同時進行で止めることに成功した結果、一弾も当たらずに済んだ。


「鬱陶しいんだよ!!」


俺は背中の手を一本に集結して近くにあった廃ビルを根元から持つ。


『何する気だ!!?』


「黙ってろ、集中してるんだから」


ゆっくりとビルが地面から離れていく。

銃弾を止めながらだったが、集中している対象は背中の手の方だったので、自ずと止める精度はお粗末なものになり、頭や腹を除いて少しずつ俺の身体に当たった。


「潰れろ!!」


持ち上げたビルを目の前のやつらに向かって叩きつけた。ビルは当然粉々になったが、同じ様に下敷きになった奴らも粉々になった。


「……………無駄だったな」


ビルの残骸を超えて兵士達はやってきた。


「なあ、俺一人で本当にこの数倒せると思う?」


『やるしかないはずだ。守りたいならな』


「やってやる!!」















「陽介!!」


「どうした絵里!!」


「大型が出てるの!!」


「大型を出したのか!!?」


「勝手に出て行ったのよ!!どうすればいい!!?」


「何台出たんだ!!?」


「八機よ!!」


「破壊される前に回収させろ!!」


「分かったわ!!」














「おい!!一人も死なすなよ!!」


「分かってるよ!!」


俺たちは大きなシェルターの中にいる。

中では傷ついた兵士達を医療班と多治見、そして泰晴さんと俺で手当てをしていた。

生前の知識がようやく役に立った。

泰晴さんと多治見は力を使って治していた。


「泰晴さんの力で全員を一気に治せないんですか!!?」


「出来るが精度が落ちる!!一回に二十人ぐらいが精度を高くして治せる限界だ!!おまけにこいつらの奥は瀕死だ!!一つのミスで死ぬ!!」


「また来ました!!」


外では兵器たちを相手に翔さんと無傷の兵士達で戦っていた。

こちらの五本足は全て破壊され、弾丸もかなり少なくなっている。

泰晴さんがいきなり外に飛び出し、俺も後を追う。


「翔!!変われ!!おい、亮とか言ったな」


「はい」


「お前龍にはなるなよ。今回は銃だけで戦え」


「………分かりました」


「おい多治見とか言ったな!!神獣使え!!治りが悪い!!」


「分かりました!!」


多治見はそう言われ俺たちに背を向ける。

そして神獣で何かを作り自分の横に置き、再度目の前の負傷者に力を使う。

すると先程とは比べ物にならないほど傷の治りが早くなった。


「行くぞ亮!!」


「はい!!」


翔さんがこちらに来たと同時に俺たちは兵士たちのところへ向かった。

泰晴さんが手をかざすと兵士達を透明な壁が覆った。


「俺はお前らを守りつつ、弾薬を作る。だからお前はこれ使え」


渡されたのはマシンガンらしきもの。


「これが今のとこ一番有効だ。前線に行けとは言わねえが、撃ってるやつらの間に入って撃て」


「リロードは」


「しなくていい様にあれに繋いである」


彼が指差す方へ顔を向けると大きい箱があった。

そこから伸びた長いものが俺の持っている銃に付いている。


「何万発と入ってる。撃ち終えたら言え」


俺は撃っている彼らの間に入り引き金を引いた。

爆音がなり、振動が俺の身体に伝わる。

この壁は、俺たちの攻撃は通すがあちらの攻撃は通さないようになっているようだ。


「どうして怪我人が出るんだ?」


俺は撃ち続けながら考えていたがその理由はすぐに分かった。

壁の所々の色が薄くなっている。

そしてそこに銃弾がかなりの数当たるとそこから数弾が貫通して数人に当たった。

当たった彼らはその場で倒れうずくまる。


「チッ!!」


『ーーーーーーーー!!ーーーーーーー!!』


泰晴さんが何かを言うと救護班らしき数人が傷ついた彼らを運んでいった。


「埒があかねえだろこれ!!」


俺は言われたことを忘れ銃を隣にいたやつに渡し龍になった。そして壁から飛び出した。


「あのバカ!!」


俺は飛び出し、ロボット達を次々と噛み砕き、体当たりをして自分なりに破壊を始めた。


「こちらの方がいい!!」


『亮、火や水を吐き出すイメージをすれば吐けるぞ』


「分かった!!」


火を吐くイメージ。

口を開けると凄まじい勢いで火が出る。

次々と兵士や四本足、三本足などが燃えていく。


「どうして泰晴さんは龍になるなと言ったんだ」


「亮!!避けろ!!」


突然聞こえた泰晴さんの声と同じタイミングで上が暗くなった。


「なんだ!!?」


刹那何かが俺を上から地面に叩きつけた。


「何だこれ!!?」


俺の上に乗っていたのは巨大な手だった。

しかし、人間のものではなく機械のものだった。


「飛んでいたのに何で!!?」


俺を押さえつけていた手はさらに圧をかけてきた。

叫び声が聞こえるが俺のものだ。

身体から内臓が潰れる音や骨が折れる音が聞こえてくる。段々と姿が戻っていく。

このままでは死ぬ。

…………そうか、泰晴さんは分かってたのか、こうなる事が。

それなのに俺はどうしてやってしまったのだ。


「ここまでか」


「馬鹿言ってんじゃねえよ。お前には生きてもらわねえと困るんだよ!!」


声が聞こえた方を見ると、そこには俺の上に乗っていた手を片手で持ち上げている翔さんがいた。


「立てねえのか?まったくよお、余計な労力使わせやがって!!」


空いていた手で俺を抱えると翔さんはその場を離れた。


「すいません」


「生きて償えアホンダラ!!」


「………はい」


俺はシェルターに運ばれ寝かされた。


「亮!!」


「多治見、こいつを急いで治せ。一番死にかけてるから」


「分かりました」


「それと、お前は亮を治したらもう力は使うな!!」


「どうしてですか!!?」


「いいから止めろ!!医療具で治療しろ!!」


「まだ大丈夫ですよ!!」


「いいから!!」


「…………分かりました」


「頼んだぞ!!」


そう言って翔さんは外に出て行った。


「すまん」


「おとなしく言うことを聞けばよかったのに」


「じれったくてな」


「そんなことで死んだらどうするの!!?」


「………そうだな」











「来たな」


「大型。忌むべき兵器だ」


「あいつらに回収される前に全部破壊してやるさ」


「兵士を全員下げろ。俺たちでやるぞ」


「対神獣使いの兵器が俺たちに使われるとはな」


「全台出したわけじゃねえらしいからよ。そう悲観するな」


「さあ、やるか」












「はあ、はあ、はあ、はあ。クソったれ。全く、どんだけ居たんだよ!!」


そう言って俺はその場で座り込む。


『おい、腰に近衛がいるだろ』


「そうだったな!!」


慌てて背中の手を消し中を確認すると近衛が中で寝ていた。


「頑張ったよ全く」


目の前に広がる鉄屑の山々、周りは荒れ放題だ。


「結構頑張ったよな俺」


『一人で全機を破壊したのは褒められるべきことだな』


「だろ?」


『ただまあ、もう少し余裕を持って戦えればなおいいな』


「ドがつくほどの素人だぜ?そんなに高度なこと求めないでくれよ」


『それもそうか』


「………ん、あれ?あ、一輝くん」


「おお、起きたか!!」


「また、一輝くん一人にやらせちゃったの?」


「また?」


「陽介さんの時だよ」


「ああ、まああの時は俺じゃねえけどな」


「ごめんね、足引っ張っちゃって」


「…………。気にするなよ。来て一週間ぐらいだぜ?ましてお前は訓練も何も受けてないだろ?まあ俺も受けてないけど。でもまあ、気にするなよ。これから助けてくれれば良いからさ」


「そう?そうだね!!うん、頑張るよ!!」


「そうそう、そのいきだよ」


ふと自分の腕を見ると自分の腕の模様がいくつか薄くなっていた。


「あれ?こんなに薄かったっけ?」


『それはエネルギーの残量を示しているんだ。お前は今回で、俺が出た時には九割だったものが七割になった』


「二割も使ったのかよ。つーか残量とかあるのかよ」


『ああ。ちなみに使い終わると力は二度と使えなくなる』


「まじかよ。じゃあ超大事に使わないとじゃん」


「さっきから誰と話してるの?」


「ディリアだよ」


「ああ」


『力は神獣を使った時、能力を使った時に減る。神獣は出す瞬間のみ消費される。そこからさらに力を引き出す時には使うが、普通に使えば消費される事はない』


「マジかよ。結構大変だな。まあいいや。ひとまず、亮達のとこに行くか」


「そうだね!!」


俺たちは立ち上がり、歩こうとした。すると大きな振動と共にとてつもない大きさの何かが歩いているのに気付いた。


「隠れろ!!」


俺たちは慌ててビルの残骸の後ろに隠れる。


「…………………」


「………………………行ったか」


「ねえ、あっちって、久留美達が行った方じゃない?」


「…………急げ!!」


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