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遊び

いろいろ考えて大幅に変えました。

「足場が悪いな」


「行くぞ!!」


三人同時に俺に斬りかかる。

………やはり連携は取れているな。

だが、いくぞなんて言われたら構えるのが普通だろ。


「老いぼれのくせにようやるわ」


あえて押されてる演技をしよう。彼らの攻撃をできる限り大袈裟に避け、いなす。


「くそ!!」


敢えて苦しそうなことを言う。

攻撃してくるあいつらの顔が若干余裕のある表情を浮かべているあたり俺の演技力は捨てたもんじゃないんだな。


「はあ」


しかし、本当に単調な攻撃だ。つまらん…………ここだ。


「鬱陶しいんだ」


俺は右手で持っている剣を一番奥にいるこいつらの一人に向けて投げる。


「うぐっ!!」


投げた剣は彼の右腕に刺さり、刺された彼の右手から彼の持っていた剣が滑り落ちる。


「くっ!!」


刺された彼は左手で剣を拾い、慌てて後ろに下がり自身の右腕に刺さった剣を抜こうとする。


「待て」


抜くのは俺だ、お前には触らせない。


「……………勝負の途中で逃げるのは良くないな」


攻撃の合間をぬって奥に下がったやつの目の前に立つ。


「返せ」


待っていろ、抜いてやるから。


「すぐに終わるさ」


俺は彼の腕に刺さっている剣の柄を持ち上に振り上げた。


「うがああああああああ!!」


………腕ごと抜いてしまった。

どうも力加減がうまくいかない。もう少しでなれると思うのだが。


「くそがあああああ!!」


叫ぶな。

お前だってさっき同じようなことしただろ、こいつらに。


「騒がしい」


俺は引きちぎった腕から剣を抜き、左手で剣を持ち俺を刺そうとする彼の首元に当てる。


「ではな」


剣を真横に動かす。

目の前の彼の首に一本の赤い線が出来上がり、そこから少しずつ赤い液体が流れていく。

ゆっくりと身体が倒れていき、首が俺の足元に転がって来た。


「これで二人目だが後二人か。どちらが本物だろうか」


そうだ、アレを使えばすぐだ。

対象は本体で。


『詠唱』


「なんだ!!?」


「どちらか」


二人の彼の足元に突如大きな穴が出来る。

一人はそれを見て後ろに下がったが、もう一人はそのまま俺の元に直進してきた。


「お前か」


俺は迫って来る彼を斬り続けた。

後ろに退いた彼を一瞥すると彼は引きつった顔で俺を見ているあたりきっと俺は今楽しそうな表情を浮かべているのだろう。


「やりすぎたな」


人の原型がなくなるほど細くなった彼だった肉片は俺を囲むように地面に広がっていた。


「細かく切りすぎた」


「何だ今のは…………」


「本体、つまりお前にしか対象はとっていない。さきほどのが見えたのは俺とお前だけ。結果、本体以外は見えていないから恐れずに突っ込んで来る。判別が楽でいい」


笑いそうだ!!楽しい、とにかく楽しい。やはり外は楽しい。

初めて人を切った、初めて外で魔法を使った。

やはり外は…………いい。


「一輝がさっきからずっと俺に訴えてる、お前を殺せと。だが、初めて外に出たゆえもう少しだけ楽しみたいのだ」


俺は最後の一人となった彼の背後に回り彼の左肩に顎を乗せる。


「楽しませろ」


それを聞いた彼は素早く俺から離れその場で座り込んだ。


「くるか?」


構えたが彼は何もしてこない。

急に動いたと思ったら興ざめだ。そろそろ終わりか、残念だ。


「がっかりだ」


せっかく外に出られたのだが、今日はここで終わりか。


「何か策でもあるのか?」


「……………」


「無視か………」


段々と彼との距離が縮まる。


「目の前だぞ」


俺は座り込み目を瞑った彼の前に立つ。


「ではな」


俺は剣を振り抜いた。


「終わり…………ではないな」


振り抜かれた一撃は彼の首に接触せず、彼が先ほどは持っていなかった剣で止められていた。


「…………あんま大人舐めんなよ、クソガキ」


「いつの間に出したかは知らんが、二刀流。それで俺の剣を止めたわけか」


「俺は二刀流が得意なんだよ!!」


「ここから本気を出すとでも言うのか?」


『詠唱』


「燃えろ」


俺たちを巨大な炎が包む。


「くっ!!」


熱くはない。

青色にしておけば少しは熱かったかもしれないが、人を燃やすなら普通でいいだろう。


「さらばだ」


「何言ってんだ」


俺の後ろにいた彼は持っていた剣を俺の右腕めがけて振り下ろす。


「もらった!!」


俺の右肩から剣が下へ降りていき、一輝の身体から右腕が離れていく。俺の右腕が……。


「ふむ、切られてしまったか。お返しだ」


俺は振り向き、左手の人差し指を下げる。すると彼の左腕がその場に落ちた。


「これでおあいこだ」


これでお互い腕が一本だけになった。


『詠唱』


「再生」


お前のやったことに意味はない。


「おいおい、やってくれるな」


俺の右腕が再生していく。


「俺はいつでも直せるのだがな」


「糞が!!」


一輝の憎しみが強すぎる。

こいつの抱えてるものが、それ相応のものだからしょうがないとはいえ人間というものはここまでになれるのか。

やはり外は、素晴らしい!!

ありがとうございました。

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