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学園小譚集  作者: 赤色るべら
雪すいか
9/9

それが苦手になった理由

 しゃり、しゃり、しゃり、つめたいすいか。

 しゃり、しゃり、しゃり、まっかなすいか。

 あるだけぜんぶ食べてしまった。

 かけらも残さず食べてしまった。


 だって食べなきゃ見つかっちゃう。

 お母さんに、見つかっちゃう。

 こっそり食べたの見つかっちゃう。

 見つかっちゃったら怒られる。

 わかってたから、残さずたべた。

 白いとこまで、残さずたべた。


 だけど結局みつかって、これまでにないほど叱られた。

 とっても怖い顔をして、どうして食べたと叱られた。

 しかもお腹をこわしてしまい、すぐに救急車で運ばれた。

 からだを冷やしすぎた私は、それから三日ほど起きれなかった。


 だから私はあの日から、赤いすいかが苦手になった。

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