9/42
ブラック船長(その9)
惑星スルメは青かった。陸地はほぼ無い。地球とほぼ同じ成分でできている海で地表の98パーセントが構成されている。外部からのアクセスの為の巨大空港が海面に設置されているが、大部分の都市は海中に広がっている。
エリーとパイセンを先にホテルに向かわせ、ミツオは一人でぱいせんの旦那に接触を試みる。
旦那の機体はおそらくVIP待遇なのであろう、管制塔の真ん前にいた。流線型のボディはぬらりとした黒だ。端末片手にチェックしている人物がいる。すらりとした長身。彫りの深い顔立ちは映画スターを思わせる。しかし身のこなしはどこかぎこちない。
「よう、新しい動駆の調子はどうだい」
いぶかしげに男が顔をあげた。目の前の男がミツオだと分かった男は、破顔する。
「ミツオさん。どうしてここに」
「フタツ・ミッツと知り合いなんだ。ずいぶんな変わりようでびっくりしたよ」
「今は、宇宙船のハイヤーを生業としています。黒猫なのでキャプテン・ブラックと名乗っています。運転技術は動駆側のシステムを利用しています。動駆は何でもできますよ。ミツオさんも動駆に乗り換えたらどうですか」
「俺には動駆を乗りこなす適性は無いよ」
ミツオはポケットをまさぐりタバコに火を点ける。




