6/42
軌道エレベーター(その6)
スーツを着こなすミツオが、軌道エレベータの中にいた。荷物はすでにあずけたので手ぶらだ。
「お似合いですよ」
エリーが茶化す。パイセンはエリーがもつ布製のケージに収まっている。ケージの中のぱいせんが不服そうに言う
「私はこうするしかなかったのかしら」
「移動中は仕方ありません。普通の猫としての扱いにはなります。だから極力話さないでくださいね」
エリーは顔を近づけて小声でぱいせんと話す。
宇宙船は重力を断ち切る推進力を得るため、爆音とバックファイヤが発生する。そのため、銀河クラスの空港は地上700mに浮かんでいる。そのため、空港にアクセスするためにはジャックと豆の木に登場する、天まで伸びる木のような軌道エレベーターに乗り込む必要がある。
「わあ」
エリーが目を輝かせた。
晴れることのない雨をもたらす雨雲を突き抜けたのだ。太陽の光が降り注ぐ。
プライベートシャトルは思っていたより華奢で美しい機体だった。大気圏外にあるゲートを経由して、目的地の惑星スルメまでは一瞬で到達できる。




