証拠(その40)
エリーが何かを待つように沈黙する。
「まさか、でまかせを言っているのではないどろうな」
ゾイが沈黙に耐えられずに声を荒らげる。
エリーは閉じたまぶたをかっと開けた。
「それはこれよ!」
エリーが叫んだ瞬間、ゾイ、フタツ・ミッツ、広瀬のいる部屋の扉がこじあけられた。
驚いたゾイが振り返る。そこにいたのはミツオ、ぱいせん、そしてフタツ・ミッツの姿をまとう旦那。
ミツオは手をまっすぐ差し出し、何かをかざしている。
「フタツ・ミッツの自作自演だったとは驚きだな」
ミツオは叫ぶ。手にはゾイの放った極小のドローンを乗せている。もちろんハッキング済みだ。画像は賭けを見守る観客に流れている。
フタツ・ミッツの美しい顔が動揺でゆがんでいる。
「ブラック船長の疑いは晴れた。俺たちの勝ちでいいな。ちなみにこの画像は、はるばる地球から、惑星スルメに滞在中の捜査一課 神崎警部補の端末にも生放送で送らせてもらっています」
その言葉を聞いた広瀬は、憎々しい視線でミツオをにらみつける。
「いつか、お前だけは破滅させてやる。楽しみに待っていろ」
広瀬がつぶやく。
「何だって、よく聞こえない」
ミツオは小馬鹿にするように広瀬に返答する。もちろん広瀬の恐ろしいメッセージはミツオの耳には届いている。
広瀬の逃走は速かった。忽然と姿が見えなくなったのだ。




