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旦那の職業(その4)
「旦那は日中、人型の動駆に乗り込んで仕事をしている」
「どんな仕事なの」
「ハイヤーの運転手。どうも、お金持ちに気に入られてご指名をうけるようになった。そのお金持ちがどうもよくないと思う」
「男ですか、女ですか」
ミツオが自分で入れてきたコーヒーを一口飲みながら聞く。ぱいせんはミツオを見つめる。
「女よ。ミツオは知っているかしら、動駆の歌い手、フタツ・ミッツ。どうも雇い主はそいつらしい」
フタツ・ミッツはここ数年、若者の気持ちを代弁する歌手。しかも世界初の歌う動駆として人気を博している。ミツオもエリーも当然知っている。
「悪の元凶よ」
ぱいせんは吐き捨てるように言った。
「具体的には本日の相談はどういったことになりますかね」
タバコに着火したミツオを見ながらぱいせんは話を続ける。
「旦那はフタツ・ミッツのツアーに同行するらしい」
「すごいじゃない」
エリーは目を見開いて驚く。
「ただの仕事ではないと見ている。ツアー日程中にゾイサイトの会合が開催される。VIPだけが集まる秘密の集まり。そこに旦那も行くと思う」
「ほう」
「絶対に阻止したい。だから私をつれて旦那を尾行しろ」
ミツオとエリーは言葉を無くしたまま顔を見合わせた。




