会議(その39)
ミツオはぱいせんの興奮を抑えるように紙とペンを取り出した。指で指し示し、書くように促す。
「俺たちは監視されている」
「分かった」
ぱいせんは器用にペンを口にくわえて文字を書いた。一同は隠すように紙をのぞき込む。
(フタツ・ミッツ)
(もやもやしたガスのような人影)
ミツオ達は声を出さないが、はめられたという共通の認識を感じた。 ここからは筆談により作戦のうち合わせを行っていった。
どれくらいの時間が経っただろう。賭けを見守る観客から不満の声が上がり出す。得に面白い動きがなくなったからだ。あせりだしたゾイがマイクを手に取った。新たな展開を導き出そうする。
「エリー調子はどうだ」
「あなた誰?」
ゾイは違和感を感じた。
モニターに映るエリーの反応が、突然の呼びかけにもかかわらず、あまりに無反応だったからだ。
「私はゾイ。今回の掛けの胴元だ。ミツオ君、勝算はあるかね」
返答は無い。
画面に映る一同の反応も無い。ゾイは違和感を探るために新たなドローンを投入する。
ドローンからの映像に写し出されたのはエリーしかいない室内だった。ゾイが驚きの声を上げる。
「エリー、他の奴らはどうした!いないじゃないか」
エリーは舌をぺろりとだした。
「ばれちゃった」
エリーはハッキングしていた監視カメラの映像をリアルタイムの画像に戻す。室内の様子を録画した映像をループさせて監視カメラに流していたのだ。
エリーは観客に向けて手を振る。
「ブラック船長の無実を示す証拠が見つかりました」




