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広瀬登場(その36)
広瀬は小さくうなずき、何かの指示をだした。天井がうなりを上げて下がったように見えた。
「天井を少しずつ下げさせてもらいます。最終的には床まで下がるのです。という事はおわかりですね。この勝負に負けた皆様の死因は圧死ということになります」
ミツオは唇をかみしめる。
「ではスタートです。あなた方の様子を会員様には配信しております。皆様すでに盛り上がっておられます。どうぞオーディエンスを意識しての捜査をお願いいたします」
モニター群はブラックアウトしたのち、指示を待ち受ける画面に復帰した。
「有無を言わさずとはこのことだな」
ミツオが一同を見回す。
「とにかく、旦那が潔白である証拠を集めよう。目の前の端末でどの程度までアクセスできるのかエリー分かるか」
すでにキーボードに張り付いているエリーは的確に返答した。
「ゾイサイトは恐ろしい組織だと思います。国家レベルのアクセス権が付与されています」
「そうか、ならば、ライブ会場での監視カメラを総ざらいして、ブラック船長の行動としておかしいことを探してもらう。同時刻、俺と船長は酒場で飲んでいる。アリバイの証明として証拠を集めてくれ」
言い終わったミツオは、ぱいせんの耳元でささやく。
「ゾイサイトを乗っ取る。この船の弱点を調べろ」
ぱいせんは静かにうなずいた。




