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船の名は(その32)
ミツオはかぶっている紙袋を外しながらぱいせんと旦那に指示を出す。
「外扉のロックをタイマーで解錠するように設定をお願いする」
三山刑事が、じたばたと足を踏みならし大騒ぎしている様子が画面に映っている。視界の端で確認しながらミツオはなおも言葉を続ける。
「船外脱出用の小型船でこの場を今すぐに離れよう」
一同は同意する。
ミツオは大事な質問を旦那に投げかける。
「開催される賭場はこの星のどこだい」
旦那はフタツ・ミッツの美しい仕草と共に返答する。
「ここからは近いけれど……宇宙よ」
指先を真上に向けて旦那が言った。「そうか。運転はまかせる」
小型船に全員が乗り込み、旦那が操縦席、副操縦席にぱいせんがそれぞれ座っている。旦那が手際よくスイッチを入れていく。
「この船もなかなかいい船でしてね。もう少しで光の速さに肩を並べます。残像がその場に残って、まるで停止している姿が確認できます。まるで止まっている様子から、フリーズ号と名付けました」
ぱいせんもほこらしげに計器を確認している。




