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それだ(その30)
ミツオは眉間にしわを寄せて考えていたが、どうやら方針だ立ったようだ。
小さく「よし」とつぶやく。
キューブ状に集まって表示されている監視カメラのホログラムにミツオは手を伸ばす。神崎警部補が映っている画面をタッチする。音声ボタンが現れた。そのボタンを押してミツオは話し始める。
「何かご用ですか」
船の外にいる二人は、目の前のドアから声をかけられて、飛び上がって驚く。
気を取り直した神崎警部補は返答する。
「こちらの船はフタツ・ミッツさんの船で間違いありませんか」
「あなた達は、どういった関係の方ですか」
ミツオは半笑いで会話を続ける。
「地球からやって来ました。警部補の神崎と申します。大物の犯罪者を追ってこちらに参りました。その人物の足取りが消えた状況とこの船が出立した日時がちょうど合致いたしました。そういったことでこの船を調べていた所です。調査にご協力していただき、船内に入れてもらうわけにはいかないでしょうか」
眉をひそめる三山刑事は神崎警部補の肩をつついて耳打ちする。
「この声、聞き覚えありませんか」「私も、どこかで聞いた声だと思いながら話していた」
「探偵のミツオじゃありませんか」 三山刑事と神崎警部補は顔を見合わせる。
「それだ」




