27/42
仮説(その27)
「心当たりがないわけではない」
旦那は視線を落としたままぼそりと言ったまま黙り込んだが、辛抱強く次の言葉を待つしかなかった。
「ゾイサイトだ」
「どういうことだ」
ミツオが問い詰める。
「フタツ・ミッツはギャンブルにのめりこんでいる。ゾイサイトに多額の借金がある」
ぱいせんは合点がいかない。
「それが何よ。運営側にしたら、VIPが湯水のようにお金を使ってくれる事が最高の客なのでしょう」
旦那が続ける。
「これは僕の想像でしかないが、フタツ・ミッツの悪ふざけなのかもしれない」
ミツオが声をひそめる。
「自分自身とあんたを巻き込んでまで、こんなことをするのは悪ふざけではすまないだろう」
「そうだな」
旦那が考えを改める。ぱいせんがすかさず言う。
「案外、あるかもしれない」
「どういうことだ」
ミツオはタバコに火を灯しながらぱいせんの言葉を飲み込む。
「ゾイサイトは何でも賭けの対象にするんでしょう」
「まさか、自作自演?」
エリーが口元に手を当てて驚きの声を上げる。
「旦那、ゾイサイトにアクセス出来るか」
ミツオが煙を吐き出しながら旦那に問いかけた。




