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仮説(その27)

「心当たりがないわけではない」

 旦那は視線を落としたままぼそりと言ったまま黙り込んだが、辛抱強く次の言葉を待つしかなかった。

「ゾイサイトだ」

「どういうことだ」

 ミツオが問い詰める。

「フタツ・ミッツはギャンブルにのめりこんでいる。ゾイサイトに多額の借金がある」

 ぱいせんは合点がいかない。

「それが何よ。運営側にしたら、VIPが湯水のようにお金を使ってくれる事が最高の客なのでしょう」

 旦那が続ける。

「これは僕の想像でしかないが、フタツ・ミッツの悪ふざけなのかもしれない」

 ミツオが声をひそめる。

「自分自身とあんたを巻き込んでまで、こんなことをするのは悪ふざけではすまないだろう」

「そうだな」

 旦那が考えを改める。ぱいせんがすかさず言う。

「案外、あるかもしれない」

「どういうことだ」

 ミツオはタバコに火を灯しながらぱいせんの言葉を飲み込む。

「ゾイサイトは何でも賭けの対象にするんでしょう」

「まさか、自作自演?」

 エリーが口元に手を当てて驚きの声を上げる。

「旦那、ゾイサイトにアクセス出来るか」

 ミツオが煙を吐き出しながら旦那に問いかけた。

挿絵(By みてみん)

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