はめられた(その26)
黒猫の旦那あらため、フタツ・ミッツが大慌てで話し出した。
「これでやっと話が出来る。今、見ていたでしょう。この動駆は乗り込み型なのです。フタツ・ミッツからプレゼントされました。影武者がいた方が何かと便利だと言っていました。そんなことより何がどうなったのですか」
事情がわかった一同は、逆に詰め寄った。
「今夜のライブでフタツ・ミッツが狙撃された。俺が見た現場の犯人はあんただった」
エリーが放送中のニュース映像をホログラムで映しだす。キャスターが真剣な表情で最新情報を伝えている。
「今夜、宇宙の歌姫フタツ・ミッツがライブ中に撃たれました。意識不明の重体です。会場での監視カメラ及び目撃証言から容疑者が特定され、宿泊先のホテルで確保されました。職業、スペースシップ・ハイヤーのブラック船長。現在取り調べ中ですが容疑を否認している模様です」
フタツ・ミッツの姿で旦那が口を開く。
「これだけお世話になっている恩人を狙撃するわけが無い。まずもってこの船には武器なんて一丁も積んではいない」
エリーが素朴な疑問を旦那に聞く。「旦那が目覚めた後の、拘束されているブラック船長の動駆は今どうなっているの」
「私が、黒猫と活動している間は、ブラック船長の動駆はセーフモードに入っています。意識レベルが低下した、ごく簡単な受け答えが出来るだけというレベルで動いています」
ミツオが冷静な一言を発する。
「誰かに、はめられたな」
その場にいた全員が息を飲む。




