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愛されている(その21)

 ブラック船長の操る宇宙船は到着したままの姿で佇んでいた。闇夜にライトで照らし出された様子では、誰かが出入りしているなどの気配は感じられない。

「よかった。当局は、この船の持ち主が容疑者である事にはまだ到達していないらしい」

 船内に入るスロープは降ろされている。スロープの先に待ち受けるドアには当然ロックがかけられているだろう。一行はスロープを辿り、ドア脇にある小窓を凝視する。

「パスワード入力式のロックだ。ぱいせんパスワードの心当たりはあるか」

 ミツオはぱいせんの顔をのぞき込む。ミツオの表情には、知っていてくれという気持ちがにじみ出ていた。

「あの人が設定するパスワードは、きっとこれだっていう確信はある。エリーもう少し入力画面に私を近づけて」

 エリーに抱っこされているぱいせんが手を伸ばして器用に画面を押していく。

 (エントリー)

 音声と共にエアー式のドアが船内側に少し沈んだ後、左右に開いた。

「やった開いたぜ」

 ミツオは率直に驚いた。

「よく分かったな。ちなみにどんなパスワードなんだい」

「正確には教えないけれど、数字の語呂合わせとみたいなもので、ぱいせん大好きみたいなことになっていたわ」

「愛されていますね」

 エリーがつっこむと、ぱいせんは照れくさそうに笑っていた。

挿絵(By みてみん)

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