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ぱいせん登場(その2)

 エリーは雨の降り注ぐ空を見上げる。午前中の明るさではない。どんよりとしたいつもの厚い雲から、雨は霧状に降り注ぐ。どうにかならないものかしら。いつか太陽というものが輝く青空が見たいものだわという欲求があった。

 ベランダに三毛猫がいた。

「ぱいせん」

 エリーは慌ててベランダへと続く引き戸を開けた。

「いや、どうもどうもお久しぶり」

 パイセンがここまで移動してきた小型ビーグルはおんぼろビルの外壁に沿って浮かんでいる。ぱいせんは至極元気そうに見えた。

「いつぞやはお世話になった」

 小さな頭をぺこりと下げる。

「ミツオさん、ぱいせんが来ましたよ」

 うれしそうな声でエリーはミツオを呼ぶ。声に驚いてミツオは駆け足でベランダにやってきた。

「やあ、やあぱいせん。いつぞやはこちらこそ儲けさせていただきました。黒猫さんとはあれから……」

「いまも一緒にいる」

 ぱいせんは照れくさそうに少しうつむいた。

「そうですか、それは結構でございます。で、本日はどういったご用件でこちらにこられましたか」

 ミツオはもみ手で話を続ける。

「実はその旦那のことで相談がある」

 ぱいせんがエリーとミツオにはっきりと言う。

挿絵(By みてみん)

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