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悲劇(その14)
三人が言い争っている最中、会場の明かりが暗転する。待ちかねたファン達の完成が爆発する。
暗闇から、まばゆい光があふれた。
ステージのセンターにはいつの間にか現れたフタツ・ミッツが仁王立ちで立つ。
白煙があがり、その煙の中をホログラムの竜がうごめいている。
ライブが始まったのだ。
白煙の内部にとどまらない竜が会場をとびまわり、竜の頭にまたがるフタツ・ミッツが上空を飛び回っている。マイクからの声は倍音というのか、不思議なハーモニーを奏でる。動駆の本領発揮だった。
スルメ星の人々はフタツ・ミッツの声に魅了されていた。
一曲、二曲と楽曲は進む。フタツ・ミッツが会場のテンションを上げるMCを話しだした。
「今夜は私の知り合いのにゃんこちゃんも見ているのよ。今夜はイーカ?」
盛り上がる歓声に、VIPの三人も飛び跳ねて喜ぶ。
直後、ドラゴンの頭の上のフタツ・ミッツの胸元に紫色の液体が爆ぜた。
フタツ・ミッツが後ろに跳ね飛ばされる。仰向けに崩れ落ちた。ドラゴンの頭の上のフタツ・ミッツの姿は客席からはよく見えない。会場の歓声は悲鳴へと変わった。
「銃弾だ」
ミツオが声を荒げてエリーとパイセンの頭を下げてうずくまる。




