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ゾイサイト(その1)
エリーはいつになく真剣に物事に取り組んでいるミツオをいぶかしげに見ていた。机に向かってテレビを見ている。真剣すぎるとエリーは思った。こういう時はろくでもないことをしていると相場は決まっている。「ミツオさんずいぶんと、ご熱心ですけれど何をしておられるのですか」
ミツオの背中に緊張が走るが、すぐに平静を取り戻す素振りをみせる。「興味ある」
「はい、すごく興味があります」
ミツオはエリーに向き直る。右手には競馬新聞、左手には競輪新聞を握っている。
「ギャンブルですか」
エリーはあきれる。その反応を見たミツオがすかさず話し出す。
「普通のギャンブルではない。ただ、一番二番を当てる話では無いのだよ」
「はあ」
「世の中の新羅万障がすべて賭け事の対象として門戸を開いたサイトが出来たのだよ。ゾイサイトと言ってだな、例えば今わたしが予想しているのは、この競馬第十レースにおける最下位の馬と競輪台十三レースの二位の選手をミックスで当てるというものに取り組んでおる」
ミツオがえっへんと胸を張ると同時にエリーは興味を失っていた。




