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成長因子

ちょっと待ってくれ、一度整理しよう。

まず俺がゴブリンに攻撃した、するとゴブリンが爆散した、次に俺のスキルが成長因子を獲得したと言った、そしてそれが何なのか分からない。


よし、整理できた。

それでスキルさん?成長因子って何ですか?


《回答・・・成長因子とは人間の可能性を引き上げる因子です》


人間の可能性?具体的には何が上がるんだ?


《回答・・・身体能力やスキルの効果を上昇させることが出来ます》


この回答を聞いて俺は納得した。

ダンジョンに潜っている探索者は、一般の人と比べると身体能力が高い。


もちろんスキルの効果も合わさっているのだが、トップ探索者は基本的に皆人外みたいな動きをする。


さらにダンジョンに潜っているとスキルの効果が上がることがあると記事で見たことがある。

もしスキルがいうようにモンスターを倒すたびに成長因子を獲得しているとしたら、身体能力が高くなるのも、スキルの効果が上がるのも納得できる。


ここまで考えたところでもう一つ疑問が出てきた。

成長因子を割り振るってどういうことだ?普通は割り振れないのかな?


《回答・・・基本的に成長因子は獲得した段階でランダムに割り振られます》


ランダムにねぇ...ってことは身体能力が上がる場合とスキルが上がる場合があるのかな?


《肯定》


つまり俺は成長の度合いを操作できるって事か?なにそれヤバくね?


《補足・・・身体能力も複数のパラメーターに分かれており、身体能力に成長因子が割り当てられる場合も成長するパラメーターがランダムで決定します》


ほぉ、つまり身体能力にも色々あるのか~。

うん、マジでヤバいなこのスキル。

え、これ大丈夫か?人に話しても良い情報なのか分からない。


こういう時は探索者の先輩である千鶴に聞いたほうが良いだろう。


「なぁ千鶴」

「どうした?急に黙り込んだようだが」

「あぁ、ちょっとスキルと話しててさ」

「スキルと話す?」


千鶴が首を傾げているのを見て思い出した。

そう言えばスキルが話しかけてくることを詳しく千鶴に伝えてなかった。


「あぁ、俺のスキルなんだけどさ、疑問に思ったこととかがあると答えてくれるんだよ」

「うん?どういうことだ?」

「例えば、ダンジョンマップの使い方が分からないな~って思ったら使い方を教えてくれたり、ゴブリンに表示された赤いマークは何だろうって思うと答えてくれたり」

「そ、そうなのか?そんなスキルが存在するのか...」

「やっぱ千鶴も聞いたことない?」

「あぁ、クランに入って色々なスキルを見てきたつもりだが、初めて聞いたぞ」


なるほどね、やっぱり千鶴も知らなかったのか。

千鶴からはカフェでもしかしたらレアなスキルが手に入るかもしれないという話しを聞いていたが、どうやら俺のスキルもそうらしい。


「それで?黙っていたって事は何かスキルと話していたんだろう?」

「あぁ、なんかモンスターを倒すと成長因子っていうのを獲得できるらしくて、それで探索者が強化されるらしいんだ」

「ふむ」

「で、基本的には獲得した時にランダムで割り振られるんだけど、俺のスキルはそれを何処に割り振るか操作できるらしい」

「は?」

「これってヤバいよな?」

「う...む、それが本当だとしたらとんでもないな」

「だよね」


千鶴も俺と同じ感想を持っているようだ。

う~んでもどうするのが良いんだろうな、身体能力が上がるのも魅力的だし、スキルが成長するのも捨てがたい。


ってか俺のスキルって成長すると何が出来るようになるんだ?


《回答・・・スキルランクが上がることでダンジョンマップを表示できるダンジョンランクが上昇します・スキルランクが上がることで開示出来る情報が増加します》


うん、回答してくれるのはありがたいんだけど、また知らん単語が出てきた...。

まず、ダンジョンランクってなに?


《回答・・・ダンジョンに定められている難易度です・現在ダンジョンマップが表示できるランクはFまでとなっています》


なるほど、確か今表示されてるダンジョンマップを表示するときにスキルがダンジョンランクFとか言ってた気がする。


つまり今のところ初心者用のダンジョンでしかダンジョンマップを表示できないわけだ。

そうなるとスキルの成長も捨てがたいなぁ~。


《提案・・・成長因子を均等に割り振ることをお勧めします》


それって身体能力とスキル成長どっちもに振るってこと?


《肯定》


なるほど、確かにどっちも成長できるし良いかもしれない。

ただそうなると成長速度が遅くなる気がするけど、それはモンスターをいっぱい倒す事で解決しそうだな。


よし、じゃあスキルさん、成長因子を均等に割り振ってください。


《承知・・・成長因子を割り振ります》


スキルがそう言うと、俺の体に何かが流れ込んでくる感じがした。

手を握りながらそれを確認してみると、確かにほんのちょっとだけ身体能力が上がった気がする。

ちょっと素振りして試してみるか。


小太刀を鞘から抜いて少し振ってみる。


「慧?どうしたんだ?」

「ん?あぁ、成長因子ってのを割り振ってみたからどれくらい身体能力が変わったか試してたんだ」

「なるほど、それでどうだった?」

「確かにほんの少しだけど、力もスピードも上がってると思うよ」

「(私には変わったように見えないが....)そうなのか」


まぁとりあえず確認できたし良しとしよう。


「それで慧、次はどうする?一旦帰るか?」

「あ~、マップに銀点があるんだけどそれも確認してみていいか?丁度近くにあるんだよ」

「分かった、ではそこに行ってみようか」


赤点はモンスターだと分かったが銀点はまだ何を示してるか分からない。

それを確かめるために俺と千鶴はダンジョンの中を進んでいく。


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