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14 教え


 えーとやはり、決定済み、でした。


 そもそもの事の発端はリシェルさんだそうです。


 そして我が家の守護女神こと才媛乙女三人、やると決めたらまっしぐら。



 場所は、エルサニアとクルゼスとの国境の街ジオーネ。


 不可侵の存在にて平和が売りのジオーネでしたが、


 街での厄介ごとを解決するための自警団はありました。



 しかし、例の戦争屋騒動で自警団は消滅。


 なにせ団員全員が悪党の手駒だったもので。



 そして新たに自警団が組織されたのですが、


 今度は悪党に利用されないようにと街在住の有志のみで編成した結果、


 集まったのは荒事素人ばかり。



 いかに平和な街とはいえ、これでは心もとないと、


 信頼のおける指導者的責任者を探していたそうなのです。


 で、俺がその責任者に?



「いえ、責任者の選定は既に済んでいるそうです」

「私たちの役割は、街の人たちの自衛のための武術指南の指導者」


 なんでも、今回の新自警団に集まったのは、ほぼ全員が女性なのだとか。


 成る程、それで薙刀指南。



「住居はこのままこちらで、ジオーネとの行き来は『ゲートルーム』にて」


 ミナモ、委細承知のすまし顔。


 我が家の前向き三人娘、既にそこまで相談済みでしたよ。



 少し、悔しい。


 俺、今度こそは一家の主人として、頑張れると思ったんだけどな。



「シナギは、そのままで良いのです」

「この家を守るのは私たちに任せて、今まで通り思うがままに生きてください」



 やられたっ。


 これが、グッとくるってことだよな。



 じぶんで『気付き』に至らなくとも、俺の周りには幸せに貪欲な乙女たちが溢れていましたよ、ロイさん。


 そしてこれが『人こそ宝』ですね、アランさん。


 さらに今の俺、まさに『神輿』気分、かなりこそばゆいですね、カミス師匠。




 故郷をはるか離れた西方暮らし、


 今日も今日とて居候なれど、


 いつの間にやら周りには、


 身に余るほどの至宝の家族。



『異世界とっても良いところ』



 不肖シナギ、最近少々涙もろい模様。


 年、かな。



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