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13 既決


 そんなこんなで戻った我が家で、出迎えてくれたのは、ミナモのみ。


 何故か安堵と緊張が半々気分の、俺。


"我が家"とは何ぞや、と、考える事しばし。



「御相談があります」


 この表情のミナモ、迂闊な対応は命取り。


 いや、もちろん精神的な意味で、ですよ。



「道場を始めようかと思います」


 武道のみならず、華道やら作法やらも学べる集まり。


 いわゆる東方文化の習い事が出来る場を持ちたいとのこと。



 なぜ突然、などとは言わぬ。


 流石ミナモ、俺ごときの悩みはバレバレって事。



「いつも、すまん」


 深く、頭を下げる。



 ぽかり



「隙あり、ですよ」


 なんだか子供の頃に戻ったようなやり取りに、嬉し恥ずかしの、俺。



 それはともかく、まずは自分達の現状を確認。


 今の平屋の一軒家では、人を集めての習い事は難しい。


 武道の指南も考えてとあれば、なおさら。



 道場を始めるなら、それなりの器が必要。


 幸い、蓄えはある。


 各種任務で用心棒として雇ってくれるモノカさんたちに、感謝。



 ただ、この場所で新たにいろいろと始めるのは、いかがなものかと。


 元々ここはミスキさんの敷地。


 御好意で家まで用意していただいた居候、


 これ以上は、流石に甘え過ぎ。



 そもそもこの場所は市街地中心からは結構離れており、


 人を集めての道場などの習い事の場には不向きであろう。


 そして何より、ミスキさんは固有スキル絡みで人混みを避けて暮らすためにこの街外れを選んだのだ。


 不特定多数の来客は絶対に駄目だ。



 より良い立地の場所に、立派な道場と、あわよくば俺の城たるお屋敷も。


 不肖シナギ、一家の主人として、今こそ飛躍の時!



「御相談があります」


 もしもしミナモさん。


 その表情、相談ではなく、既にまるっと決まっているのでは?



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